東芝D&S、Cortex-M3搭載マイコンに新グループ:コードフラッシュメモリを1MBに
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は、Arm Cortex-M3搭載マイコン「TXZ+ファミリー アドバンスクラス」として新たに、「M3Hグループ(2)」を発表した。コードフラッシュメモリの容量を1Mバイトに拡大し、2エリア構成とした。これにより既存のコードを実行中でも、ファームウェアの更新を容易に行うことができるという。
512kバイト×2エリア構成で、ファームウェア更新を容易に
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は2023年6月、Arm Cortex-M3搭載マイコン「TXZ+ファミリー アドバンスクラス」として新たに、「M3Hグループ(2)」を発表した。コードフラッシュメモリの容量を1Mバイトに拡大し、2エリア構成とした。これにより既存のコードを実行中でも、ファームウェアの更新を容易に行うことができるという。
M3Hグループ(2)は、動作周波数が最大120MHzのCPUコア「Cortex-M3」を搭載、40nmプロセスで製造する。内蔵するフラッシュメモリは最大10万回の書き換えが可能である。
コードフラッシュメモリの容量は1Mバイト(従来品は256k〜512kバイト)に増やし、512kバイト×2エリア構成とした。これにより、片方に格納されたプログラムコードを実行中でも、他方のエリアを使って、ファームウェアの更新や修正などを行うことが可能となった。RAM容量も130kバイト(従来品は66kバイト)に増やした。
この他、UART(7〜8チャネル)やTSPI(1〜5チャネル)、I2C(2〜4チャネル)などのインタフェース、2ユニットのDMAコントローラ、最大21チャネル入力の12ビットA-Dコンバーターなどを集積している。
さらに、アドバンストプログラマブルモーター制御回路やアドバンストエンコーダー入力回路など、モーター制御に適した回路を内蔵している。また、機能安全対策回路として、フラッシュメモリやRAM、A-Dコンバーター、クロックのチェック機構を搭載した。家電機能安全(IEC 60730)の認証取得に向けてサンプルプログラムも用意している。
パッケージは外形寸法が10×10mmのLQFP64から20×20mmのLQFP144まで、7タイプを用意している。民生機器やオフィス機器のメイン制御、民生/産業機器のモーター制御および、IoT機器などの用途に向ける。
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