1Uラックスペースで最大20チャネルを搭載したSMU:パルス発生器/デジタイザも統合
キーサイト・テクノロジーは、「TECHNO-FRONTIER 2023」に出展し、1U(ユニット)ラックスペースで最大20チャネル測定可能なソースメジャーユニット(SMU)「PZ2100」シリーズを展示した。パルス発生器/デジタイザも統合していて、省スペース/低コスト化に貢献する。
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は、「TECHNO-FRONTIER 2023」(2023年7月26〜28日/東京ビッグサイト)に出展し、1U(ユニット)ラックスペースで最大20チャネルまで測定可能なソースメジャーユニット(SMU)「PZ2100」シリーズを展示した。
PZ2100シリーズは、同社既存のSMU「B2900」シリーズと同じフットプリントながら、パルス発生器やデジタイザを統合している。4スロット設計で、モジュールオプションには、用途別に、低電流/低電圧まで計測可能な「PZ2110A」、高速動作が特長の「PZ2120」「PZ2121A」、5チャネルまで拡張可能な「PZ2130」「PZ2131A」の5種類を用意している。仮にPZ2130/2131Aを4スロット全てで使用する場合、最大20チャネルまで拡張可能だ。
複数のPZ2100シリーズ SMUを同期する際のタイミング精度は50ナノ秒以下。測定した結果(数値)は、PZ2100上のモニターでも確認できる。SCPIコマンドにも対応していて、LAN/USB/GPIB経由で多様なプログラム環境にも対応している。また、同社が提供するPath Wave IV曲線測定ソフトウェア「PW9251A」を使用すると、プログラミングをせずに複数チャネルで迅速な測定を行い、測定結果は1画面で確認できる。
開発の背景について、同社担当者は「高集積回路やモジュールは、SMUリソースが大量に必要で、SMU間に冷却スペースも設ける必要があるため、限られたラックスペースが埋まってしまうという課題がある。また、多チャネルの正確な測定にはSMU間の精密な同期が必要だった」と説明し、「PZ2100シリーズは、従来製品比で20倍チャネル密度が高いため、電子部品やRFFEM(フロントエンドモジュール)、量子コンピューティングなど幅広い分野の研究開発や設計、製造に必要な測定時間を短縮する」と語った。
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