Armは2023年8月21日(英国時間)、米NASDAQ市場に上場申請したと発表した。米証券取引委員会(SEC[Securities and Exchange Commission])に新規株式公開(IPO)を申請したという。上場時の時価総額は600億米ドルを超えるとみられている。
Armの親会社であるソフトバンクグループは2020年9月、ArmをNVIDIAに売却する計画を発表したものの、規制当局や業界の強い反発や懸念から同計画を断念。2022年2月に売却契約を解消し、IPOを目指すとした。当時、ソフトバンクグループの代表取締役会長兼社長執行役員の孫正義氏は記者発表で「Armを2016年に買収した当初は、5年後をめどに上場を目指していたことから、当社にとってはむしろこちらが“プランA”といえるかもしれない」と語っていた。なおこの時は、2022年度内の上場を目指していた。
ソフトバンクグループの発表によると、Arm(アーム事業)の2022年度の売上高は3817億円、セグメント利益(税引前利益)は487億円だった(参考)。ロイヤルティー収入は、2021年度から16.1%増となる17億8300万米ドル。Armの技術を採用したチップの出荷数は、2022年は306億個となった。
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