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モビリティーの電動化で電磁ノイズの発生源が増加福田昭のデバイス通信(417) 2022年度版実装技術ロードマップ(41)(1/2 ページ)

今回はモビリティーの電動化で複雑性が増す「EMC・ノイズ対策」の概要を紹介する。

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モビリティーで重要になるEMC・ノイズ対策

 電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。本コラムの第406回(シリーズ第30回)からは、第2章第5節(2.5)「モビリティー」の概要を説明してきた。


「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)の主な目次。書籍本体から抜粋したもの[クリックで拡大]

 前回は第2章第5節第3項(2.5.3)「電動化技術」の第6パート「2.5.3.6 航空機と空飛ぶクルマ」の概要を述べた。今回は第2章第5節第4項(2.5.4)「EMC・ノイズ対策」の概要をご紹介する。


第2章第5節「モビリティー」の主な目次。実装技術ロードマップ本体(書籍)から抜粋したもの[クリックで拡大]

 第2章第5節第4項(2.5.4)「EMC・ノイズ対策」は以下の4つの項目によって構成している。「2.5.4.1 電磁波ノイズとは」、「2.5.4.2 ノイズ発生源のトレンドと対策」、「2.5.4.3 主なEMC関連規格による要求」、「2.5.4.4 EMCノイズ対策のまとめ」である。


第2章第5節第4項(2.5.4)「EMC・ノイズ対策」の構成。実装技術ロードマップ本体(書籍)から抜粋したもの[クリックで拡大]

ノイズの周波数帯が広がるとともにノイズのパワーが増大

 自動車の電磁ノイズ発生源はつい最近まで、制御系機器や車載インフォテインメント機器などが主流だった。ノイズの周波数帯域はメガヘルツ帯域であり、電磁ノイズのパワーは小さくて済んだ。しかし近年では、電動化の進展によってハイブリッド車や二次電池式電気自動車などが商用化され、普及しつつある。これらの自動車ではモーターやインバーターなどがノイズの発生源となっている。ノイズは主に高出力磁界の漏れ磁界であり、周波数帯域はキロヘルツ帯と低い。

 また先進運転支援システムや自動運転システム、携帯電話システムなどの搭載によって高速大容量の通信ケーブルが不要な電磁波を放射するノイズ発生源となった。この放射ノイズは低出力ではあるものの、周波数帯域はギガヘルツ帯と高い。


自動車が搭載する電気・電子機器と発生周波数、パワーの関係。出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

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