25.3型のカラー版も、エコな電子ペーパーポスター:常時表示の消費電力“ゼロ”
シャープは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、消費電力“ゼロ”で表示維持が可能な電子ペーパーディスプレイを展示した。電源に接続することで表示の変更が可能で、一度表示した画像は電源を切っても維持される。
シャープは「CEATEC 2023」(2023年10月17〜20日/幕張メッセ)に出展し、消費電力“ゼロ”で表示維持が可能な電子ペーパーディスプレイ「ePoster」を展示した。電子ペーパー分野の世界最大手であるE Inkとの協業によって開発したものだ
ePosterは、対応する色やディスプレイサイズに応じて「EP-C070(7.3型/カラー。解像度800×480ドット)」「EP-C131(13.3型/カラー。解像度1600×1200ドット)」「EP-C251(25.3型/カラー。解像度3200×1800ドット)」「EP-421(42型/モノクロ。解像度2880×2160ドット)」の4種類が用意されている。
いずれも既に販売を開始していて、用途は、カフェや飲食店などの卓上メニューの他、コンビニやスーパーマーケットの立て看板などを想定している。
ePosterは、電源に接続することでコンテンツの書き換えが可能だ。表示の書き換えは、USBメモリ、PC、スマートフォン経由で行える。別売りのコンテンツ配信ソフト「e-Signage S」を使用すれば、遠隔地にある複数台のePosterのコンテンツを同時に書き換えできる。
ディスプレイ部分には、EP-421では白と黒の2色、EP-C070/EP-C131/EP-C251ではシアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)、白の4色のインク粒子が入った透明なカプセルが内蔵されている。ディスプレイに電源を入れると、カプセルに電流が流れ、カプセル内部のインク粒子の位置が変わる。ePosterの表示は、コンテンツに対応した色のインク粒子を前面に出すことで変更できる。また、電源を切ってもインク粒子の位置は変化しないため、表示が維持される。
顧客の反応について、担当者は「反響はとてもよく、既に引き合いも多い。例えば、店舗数が多いチェーン店のメニューに使用した場合、e-Signage Sを使用すれば、複数店舗のメニューを一斉に書き換えられる。常時表示のための電力消費もないため、地球環境にも経済的にも負担が少ない。バックライトを使用しないため、屋外などの明るい環境でも視認性が高い、などといった点を評価されている」と述べた。今後については「ディスプレイを大型化すると、位置の変更が必要なインク粒子の数が増えるため、コンテンツの変更に時間がかかる。今後は、より大型なディスプレイの開発や、大型ディスプレイでのカラー対応を目指す」(同担当者)と説明した。
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