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従来比で30%の低背化、0.55mmのパワーインダクター高インダクタンスとも両立

TDKは2023年10月26日、パワーインダクターの新製品「PLEA85シリーズ」を発表した。高さは0.55mmで、同様のサイズで金属磁性材料を用いたパワーインダクターの中では「業界最低背」(TDK)だという。

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 TDKは2023年10月26日、パワーインダクターの新製品「PLEA85シリーズ」を発表した。同製品は薄膜工法を用いた既存製品「PLEA67シリーズ」の低背化と電気特性向上を図ったもの。サイズは1.0mm×0.8mm×0.55mmだ。高さ0.55mmは同様のサイズで金属磁性材料を用いたパワーインダクターの中では「業界最低背」(TDK)だという。

TDKのパワーインダクター「PLEA85シリーズ」
TDKのパワーインダクター「PLEA85シリーズ」[クリックで拡大] 出所:TDK

既存製品から約30%低背化、高密度実装にも対応

 昨今、CSP(チップサイズパッケージ)などICの低背化が進んでいて、低背インダクターの需要が大きいことから、TDKはPLEA85シリーズを開発したという。既存製品であるPLEA67シリーズの高さは0.8mmなので、今回約30%の低背化を実現したことになる。

 低背化の実現は、TDKが薄膜HDDヘッドの製造で培った微細コイルパターン技術と、新しく開発したバンプ電極によるものだという。

 インダクターの能力であるインダクタンスの高さはコイルの巻数を増やすほど向上するため、低背化とはトレードオフの関係にあるが、PLEA85シリーズでは新規開発の高透磁率磁性材料を用いることで高インダクタンスと低背化を両立している。

「PLEA85シリーズ」の構造
「PLEA85シリーズ」の構造[クリックで拡大] 出所:TDK

 ICの小型化が進む中では、高密度実装ができることも重要となる。こうした要求には電極の形状を変えることで対応した。一般電極タイプのインダクターでは部品側面の全面にスズ(Sn)の電極が形成されているが、PLEA85シリーズではそれを側面の一部だけにしている。これにより側面に付くはんだの量が少なくなり、サイドフィレットが小さくなるため、実装面積を減らせるという。また、製品寸法の公差が±0.1mmと大きさにばらつきが少ないことも高密度実装に貢献する。

PLEA85シリーズ(上)と一般電極タイプ(下)の比較
PLEA85シリーズ(上)と一般電極タイプ(下)の比較[クリックで拡大] 出所:TDK

 PLEA85シリーズの用途として、TDKは小型実装や低背化が特に重要となるウェアラブル機器、ワイヤレスイヤフォンなどを想定している。

 PLEA85シリーズは、インダクタンスが0.47µHから2.2µHの製品を量産中で、3.3µHの製品も開発を進めている。サンプル価格は1個当たり20円(税別)。

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