ニュース
半導体市場は2030年に1兆ドル規模へ、24年と25年に2桁成長:AI/車載用途がけん引(2/2 ページ)
SEMIジャパンは2023年12月12日に開催したプレス向け説明会にて、半導体/半導体装置市場の予測を発表した。半導体市場は2024年と2025年に10%以上の成長が予測されていて、2030年には1兆米ドル規模に達する見込みだ。
半導体製造装置市場は「中国が全体を救済」
グローバルでの半導体製造装置への投資額は、2023年第3四半期には前年同期比で11%減少した。地域別では中国が唯一増加していて、増加率も42%と大きい。中国を除くとグローバルでの投資額は前年同期比31%減少したことになる。
半導体製造装置の市場規模は、2023年は前年比6%減の1000億米ドルに着地する見込みだ。内訳を見ると、前工程製造装置は前年比4%減、テスト装置は同16%減、後工程製造装置は同31%減となっている。2024年には、後工程製造装置とテスト装置の回復により、半導体製造装置市場は同4%増となる見込みだ。さらに、2025年には同18%増となり、1200億米ドルを超える規模に成長すると予測している。
地域別では、中国/台湾/韓国が引き続き大きな投資を行っていく見込みだが、全体に占める割合は低下していく。2021年にはこの3つの国/地域が、世界全体の投資額の78%を占めていたが、今後、他地域で新規の投資が拡大し、2025年にはこの割合は65%まで低下すると予測している。
半導体市場の拡大に伴い現在、世界各地で生産能力の拡大が進められていて、2022年から2026年までに稼働する工場は96カ所になる見込みだ。地域別では中国が30カ所と突出しているものの、米国や欧州、日本、東南アジア諸国においても以前より多くの工場が操業を開始する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 世界半導体市場が1年2カ月ぶりに前年同月からプラス成長、SIA
米国半導体工業会によると、2023年11月の世界半導体売上高は、前年同月比5.3%増の480億米ドルで、1年2カ月ぶりにプラス成長となった。前月比でも2.9%増となった。 - 半導体生産能力、2024年に初の月産3000万枚台へ
SEMIは、2024年の世界半導体生産能力が初めて月産3000万枚(200mmウエハー換算)台に達するとの予測を発表した。主な成長要因として最先端ロジックとファウンドリーの生産能力増強、生成AI(人工知能)やHPC(高性能コンピューティング)などに向けたチップ需要の回復を挙げた。 - Samsungが横浜市に次世代パッケージング技術の研究拠点を設置へ
Samsung Electronicsが、横浜市の「みなとみらい21地区」に、半導体の次世代パッケージング技術の研究拠点「アドバンスド・パッケージ・ラボ」を新設する。2024年度の開設を予定している。 - WSTSの世界半導体市場規模予測は強気――でも条件がそろえば達成可能か
先日、WSTS(世界半導体市場統計)が2023年秋季の世界半導体市場予測を公表した。今回は、WSTSの予測を見ながら2023年の着地および2024年以降の市況の見通しについて私見を述べる。 - 24年の世界半導体売上高は2桁成長、6240億ドルで過去最高を更新へ
米国の調査会社Gartnerによると、2023年の世界半導体売上高は、前年比10.9%減の5340億米ドルになる見込みだ。一方、2024年はメモリ市場がけん引する形で成長し、同16.8%増の6240億米ドルになると予想した。 - 「ISSCC 2024」過去最高の投稿論文数、採択論文数最多は中国
半導体と電子部品の国際学会「ISSCC 2024」に投稿された論文は過去最多の873件だった。採択された234件のうち148件がアジアからの投稿で、最多は中国の69件だった。