日本製半導体/FPD製造装置の販売高、24年度以降は2桁成長へ:23年度は苦戦も
日本半導体装置協会は2024年1月18日、2023〜2025年度における日本製半導体製造装置およびFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の販売高予測を発表した。2023年度は、ともに厳しい予測だが、2024年度以降は2桁成長を見込んでいる。
日本半導体装置協会(以下、SEAJ)は2024年1月18日、2023〜2025年度における日本製半導体/FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置の需要予測を発表した。
23年度は苦戦も、24年度以降はロジック投資の本格回復で2桁成長を予想
半導体製造装置について、2023年度(2023年4月〜2024年3月)の日本製装置の販売高は、メモリ価格下落による設備投資削減の影響が大きいことから、前年度比19%減の3兆1770億円と予測した。一方で、米国による対中輸出規制外の分野における中国投資は堅調だったという。
2024年度(2024年4月〜2025年3月)は、ロジックファウンドリーの他、年度後半にはDRAMへの設備投資が回復基調になることを見込み、前年度比27%増の4兆348億円と予想した。
2025年度(2025年4月〜2026年3月)は、データセンター向けサーバの需要増に加え、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、EV(電気自動車)や自動運転などの多種多様なアプリケーション分野での積極投資が継続されるとし、前年度比10%増の4兆4383億円と予想した。
OLED用G8基板投資が本格化、ITパネルが回復のけん引役に
日本製FPD製造装置の2023年度の販売高は、大型の設備投資が少ないことから、前年度比25%減の3211億円と予想した。FPD分野では、韓国/中国の各1社を除く多くのパネルメーカーが営業赤字になっている。TV用パネル価格は2022年9月に底を打ち、以降は回復基調となっているものの、本格的な投資回復には至らず、2023年(暦年)の設備投資額は前年比で半減程度の水準に落ち込んだ。
一方、2024年度は、韓国で第8世代(G8)基板を用いたOLED(有機ELディスプレイ)投資が本格化することから、前年度比10%増の3532億円と予想した。現在、PCなどIT製品のパネル(ITパネル)でOLEDの採用検討が進んでいる。IT製品では、スマートフォンに比べ1台当たりのパネルサイズが大きくなることから、生産効率が高いG8基板での製造が必要とされている。そのため、FPD製造装置メーカー各社は、量産に向けた開発を進めているという。
2023年11月には、中国の大手メーカーもOLED用G8基板の大型投資計画を発表していて、ITパネルにおける技術革新が2024年度以降の市場回復をけん引すると、SEAJはみている。
2025年度は、OLED用G8基板への投資が韓国に加えて中国でも本格化することを見込み、前年度比35%増の4769億円と予測した。
なお、今回発表した予測は、SEAJの半導体調査統計専門委員会およびFPD調査統計専門委員による需要予測と、SEAJ理事/監事企業20社による市場規模動向調査結果を基に、SEAJがまとめた結果である。
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