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ニデックの23年度Q3決算は増収増益も、E-Axle事業は「反省から始める」:23年度通期の業績予想は下方修正(2/2 ページ)
ニデックの2024年3月期(2023年度)第3四半期累計(2023年4〜12月)連結決算は、売上高、営業利益、当期利益のいずれにおいても過去最高となった。決算説明会で特に注目されたのは、電気自動車(EV)用トラクションモーター事業で、ニデックは何度も「リスタートする」と繰り返した。
原点回帰で「全てのモーター事業を成長させていく」
永守氏は、「われわれはモーターの会社だ。原点回帰で、収益力のあるモーター事業に経営資源を集中させていく。(車載分野では)トラクションモーターに傾注し過ぎた。それが失敗の原因だった」と語り、大型モーター事業についてはM&Aで拡大していく方針を示した。
ニデックによれば、車載製品グループでも、E-Axle以外が堅調に推移しているという。「E-Axleについては“リスタート”だが、われわれの原点に立ち戻り、全てのモーター事業を成長させていくというフェーズだと考えている」(ニデック)
インドとアフリカを次のターゲット市場に
併せて、需要が旺盛なインドおよびアフリカ市場への進出を拡大することにも触れた。インドでは、建設中の4番目の工場に加え、5番目の工場(家電用モーターの製造)の建設を検討している。さらに、ニデック初となるアフリカの工場をエジプトに建設する計画だ。同工場では2025年の生産開始を予定している。
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