Intelが台湾UMCと提携、新たな12nmプロセスプラットフォームを共同開発:2027年に生産開始予定
Intelが台湾のファウンドリー大手UMCと、モバイルや通信インフラ、ネットワーキングなどの高成長市場に対応する、新しい12nmプロセスプラットフォーム開発で協業する。2027年の生産開始を予定する。
Intelは2024年1月25日(米国時間)、台湾のファウンドリーUMCと、モバイルや通信インフラ、ネットワーキングなどの高成長市場に対応する、新しい12nmプロセスプラットフォーム開発で協業すると発表した。2027年の生産開始を予定する。
Intelは、この長期の提携によって「Intelの米国での生産能力とUMCの成熟ノードでの豊富なファウンドリー経験を統合し、プロセスポートフォリオの拡充が可能になる」と説明。また、台湾のファウンドリーであるUMCとの提携は「地理的に多様な半導体サプライチェーンへの顧客アクセスを拡大する」とも強調している。
新しい12nmノードは、Intelの米国アリゾナ州チャンドラーの拠点「Ocotillo Campus(オコティージョ・キャンパス)」にある既存のFab 12、Fab 22、Fab32で開発/製造する予定。これらの工場では14nmノードなどの製品を生産している。Intelは、既存設備を活用することで、先行投資要件を大幅に削減し、稼働率を最適化するとしている。
Intelは、「この12ノードでは、Intelの米国を拠点とする生産能力および、FinFETトランジスタ設計の経験が活用され、完成度、性能、電力効率の強力な組み合わせが提供される」と述べている。
UMCの共同社長であるJason Wang氏は「FinFET技術を備えた米国製12nmプロセスに関するIntelとの協業は、顧客に対するコミットメントを継続する上で、コスト効率の高い生産能力拡大と技術ノードの進歩を追求する当社の戦略を推進する一歩となる。この取り組みにより、当社の顧客は、この重要な新ノードへのスムーズな移行が可能になるとともに、西側のフットプリントが追加されたことによるレジリエンスのメリットも受けられる。今回の戦略的提携は、当社の対応可能な市場を拡大し、両社の補完的な強みを活用して開発ロードマップを大幅に加速させるものだ」とコメントしている。
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