ニュース
ST、オフセット電圧が極めて低いオペアンプを発表:温度ドリフトも最小限に抑える
STマイクロエレクトロニクスは、オフセット電圧が極めて低く、温度ドリフトを最小限に抑えた高精度ゼロドリフトオペアンプIC「TSZ151」を発表した。高精度センサーや産業機器/サーバ/通信インフラ用電源などの用途に向ける。
高精度センサーや産業機器/サーバ/通信インフラ用電源用途向け
STマイクロエレクトロニクスは2024年2月、オフセット電圧が極めて低く、温度ドリフトを最小限に抑えた高精度ゼロドリフトオペアンプIC「TSZ151」を発表した。高精度センサーや産業機器/サーバ/通信インフラ用電源などの用途に向ける。
TSZ151の入力オフセット電圧(Vio)は、25℃で7μVよりも小さく、動作温度範囲(−40〜125℃)の全域にわたって、10μV以下を実現した。これにより、定期的に行う精度補正の回数を減らすことができ、応用機器の稼働率を高めることが可能となる。
消費電流は210μA(5V動作時)で、1.6MHzのゲイン帯域幅を備えている。また、優れた電力対速度比や、300pAという極めて低い最大入力バイアス電流を達成した。動作電源電圧範囲は1.8〜5.5Vである。低電圧動作が可能なため、小型バッテリーでも長時間動作が可能となる。
この他、自動車用電子部品の信頼性規格「AEC-Q100」に準拠しており、STが定める長期製品供給保証プログラムの対象製品でもある。パッケージは「SC70-5」または、「SOT23-5」で供給する。既に量産を始めており、1000個購入時の単価は約0.58米ドルとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- MCU用コードをMPUに移植するソフトウェア開発
STマイクロエレクトロニクスは、マイコン(MCU)「STM32」用に開発したプログラムコードを、マイクロプロセッサ(MPU)「STM32MP1シリーズ」に移植するためのソフトウェア「STM32CubeMP13」を発表した。システム設計者は、開発済みのソフトウェア資産を活用し、高機能でリアルタイム性能を備えた次世代製品向けソフトウェア開発を容易に行うことができる。 - Matter対応のIoT機器向けソリューションを発表
STマイクロエレクトロニクスとCommScopeは、CSA(Connectivity Standards Alliance)が策定したスマートホームの新規格「Matter」に準拠するIoT機器に向けた「ターンキーソリューション」を発表した。 - 汎用マイコンで画像認識を処理、STのエッジAIソリューション
STマイクロエレクトロニクスは「EdgeTech+ 2023」にて、汎用の32ビットマイコンで組み込みAI(人工知能)を実現するためのソリューションを展示した。組み込みAIソリューションは、同社が現在注力している分野だ。 - 制御ICとGaN HEMTを一体化、STが展示
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2023」に出展し、同社が手掛けるGaN製品を展示した。 - 汎用マイコンでAIを使う、洗濯機内の衣服重量を推定
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2023」で、同社の32ビット汎用Armマイコン「STM32G4」およびAI開発ツール「NanoEdge AI Studio」を活用して、洗濯機内の衣服重量を自動推定するデモを展示した。 - ST、超音波スキャナーに向けた超音波ICを発表
STマイクロエレクトロニクスは、応用機器の小型化や簡略化、部品点数の削減を可能にする超音波IC「STHV200」を発表した。医療用超音波エコーシステムや産業用非破壊検査装置といった用途に向ける。