制御ICとGaN HEMTを一体化、STが展示:開発期間の短縮に貢献
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2023」に出展し、同社が手掛けるGaN製品を展示した。
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、「TECHNO-FRONTIER 2023」(2023年7月26〜28日/東京ビッグサイト)で、GaN製品を展示した。一つは、耐圧650VのGaN(窒化ガリウム) HEMT(高電子移動度トランジスタ)と疑似共振フライバック制御ICを搭載したコントローラー「VIPerGaN」。もう一つは、2個のGaN HEMTおよびゲートドライバーICを1パッケージに搭載したSiP(System in Package)「MasterGaN」シリーズである。
担当者は、「VIPerGaN/MasterGaNシリーズは、GaNを採用することで、シリコンMOSFETを用いる場合と比較してパッケージサイズが半分に、電力効率が80%台から90%台に向上した。また、制御ICを搭載することで、ゲート駆動設計を簡略化し、開発期間の短縮にも貢献する」と説明した。用途は、主に民生機器向けを想定している。
「VIPerGaN」シリーズの最大出力は100Wで、パッケージは5×6mmのQFNを採用している。「MasterGaN」シリーズは、最大出力電力が45W〜400Wの電源に対応する5品種のラインアップがある。パッケージは 9×9mmのQFNを採用している。
同社は、産業機器向けIO-Link対応 FA(ファクトリーオートメーション)ソリューションも展示した。ブースでは、RFIDやToF(Time of Flight)センサーなどのセンサーと各種出力デバイスをIO-Linkで接続し、結果をモニターで表示するデモを披露した。展示について、担当者は「STは、産業機器分野に注力していて、センサーやマイコンなど幅広い製品を持っている。製品群の幅広さを実感してもらうため、展示を決めた」と語った。
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