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出雲村田製作所が新製造棟の着工へ MLCCの需要増を見据え:総額約470億円の大型投資
村田製作所は2024年2月5日、生産子会社の出雲村田製作所が、本工場(島根県出雲市)で新生産棟の建設を同年3月から開始すると発表した。総投資額は約470億円で、積層セラミックコンデンサーの中長期的な需要増加に対応できる体制の構築を目指す。
村田製作所は2024年2月5日、生産子会社の出雲村田製作所が、本工場(島根県出雲市)の隣接地に新生産棟の建設を同年3月から開始すると発表した。総投資額は約470億円(建物が約404億円、生産設備が約66億円)で、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の中長期的な需要増加に対応できる体制の構築を目指す。
新生産棟は鉄鋼造の地上10階建てで、建築面積は1万742m2、延床面積は6万9676m2。2026年3月に完成する予定だ。生産開始は2026年4月で「需要に応じて、順次生産設備の増強を行う」(同社広報)という。
なお、生産能力について同社広報は「非開示」とし、ただし、「(新生産棟の)延べ床面積、高さ(10階建て)、総投資額のいずれを取っても、過去最大規模の投資といえる」と付け加えた。村田製作所は、ここ数年、中長期戦略の一環として、生産能力を毎年10%程度増強している。
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