V字モデルの「評価フェーズ」で車両サイバーセキュリティテストが可能に:キーサイトがデモを披露(2/2 ページ)
キーサイト・テクノロジーは2024年1月に開催された「第16回 オートモーティブ ワールド」で、車両サイバーセキュリティの脆弱性を早期に特定するテストソリューション「Automotive Cybersecurity Test Platform」のデモを行った。車両サイバーセキュリティの国際基準である「UN-R155」のレポートを作成できるテスト管理ソフトウェアと連携することで、自動車のサイバーセキュリティテストを包括的にサポートする。
「UN-R155」のレポートを作成するソフトウェアも提供
テスト管理ソフトウェアのPathWave Lab Operation for Automotive Cyber Securityを使えば、車両サイバーセキュリティの国際基準「UN-R155」のレポートを作成することもできる。
UN-R155は、サイバーセキュリティ管理システム(CSMS)に関する規則を定めたもの。日本では、ソフトウェアアップデート管理システム(SUMS)に関する規則「UN-R156」とともに2021年に導入されていて、2022年7月からは、OTA(Over the Air)対応の新車についてUN-R155の認証取得が義務化されている。2024年内にはOTA対応の全ての車種で、2026年にはOTA機能の有無にかかわらず全ての車種で、UN-R155の適合が義務付けられるようになる。そうなれば、膨大な数のセキュリティテストが必須になる。実際、UN-R155/UN-R156への対応は負担が大きく、対応を諦める自動車メーカーも出てきている。ポルシェは2024年1月、UN-R155への対応が困難なことを理由に、SUV「マカン」の欧州での販売を2024年春で終了すると発表した。
「サイバーセキュリティ対策はそれほど大変なこと。そのため、ある程度までは自前でテストできるプラットフォームを持っていた方がよいと、われわれは考えている。そうしたソリューションの一つが、今回展示したAutomotive Cybersecurity Test Platformだ。Breakwaterは、『ここまでテストしておけば、ひと安心』という良い目安になるのではないか」(キーサイト)
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