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大熊ダイヤモンドデバイス、新たに3.3億円調達資金調達額は累計19.2億円へ

大熊ダイヤモンドデバイスは2024年2月、北陸銀行、みずほ銀行および三井住友銀行より、デットファイナンスによる資金調達を行った。今回の調達額は総額3億3000万円(融資枠含む)で、創業以来の資金調達額は累計19億2000万円となる。

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福島第一原発の廃炉作業に向け、ダイヤモンド半導体技術を開発

 大熊ダイヤモンドデバイスは2024年2月、北陸銀行、みずほ銀行および三井住友銀行より、デットファイナンスによる資金調達を行った。今回の調達額は総額3億3000万円(融資枠含む)で、創業以来の資金調達額は累計19億2000万円となる。

総額3億3000万円(融資枠含む)の資金を調達
総額3億3000万円(融資枠含む)の資金を調達[クリックで拡大]出所:大熊ダイヤモンドデバイス

 大熊ダイヤモンドデバイスは、「ダイヤモンド半導体」の社会実装を目指して、2022年3月に創業した北海道大学/産業術総合研究所発のスタートアップである。福島第一原発事故に伴う廃炉作業に必要な要素技術として、高温かつ高放射線下でも動作するダイヤモンド半導体が注目されている。

 そこで、国内の大学や研究機関の技術者が集結し、国家プロジェクトとしてダイヤモンド半導体の研究開発に乗り出した。このプロジェクトで中心的役割を果たした北海道大学の純一氏、産業技術総合研究所の梅沢仁氏、シリアルアントレプレナー(連続起業家)の星川尚久氏らがコアメンバーとなり、起業した。

 同社は、中性子を計測する「臨界近接監視モニタシステム」の中核技術となる「ダイヤモンド中性子検出素子」の製造を目指している。燃料デブリ近くの中性子線量を計測するため、試作したデバイスを用い、近年中に福島第一原発の現場でテストする予定である。

ダイヤモンド中性子検出素子が搭載される臨界近接監視モニタシステム(プロトタイプ)の概要
ダイヤモンド中性子検出素子が搭載される臨界近接監視モニタシステム(プロトタイプ)の概要[クリックで拡大]出所:大熊ダイヤモンドデバイス(高エネルギー加速器研究機構提供)

 同社はこれまで、復興庁/福島県主催の「地域復興実用化開発等促進事業」、NICT (情報通信研究機構) による「Beyond5G研究開発促進事業」、内閣府主催の「SIP/BRIDGE」といった国家プロジェクトに採択されてきた。今回の融資も含め、これまでに総額19億2000万円(助成金全期間含む)の資金を調達した。これらの資金は、廃炉や原発向けだけでなく、通信衛星や次世代通信基地局などに向けたダイヤモンド半導体の開発にも活用していく予定である。

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