スマホ向けディスプレイに埋め込む顔認証システムを開発:STとtrinamiX、Visionoxが協力
STマイクロエレクトロニクスとtrinamiXおよび、Visionoxは、スマートフォン向け有機ELディスプレイに組み込み可能な「顔認証システム」を発表した。
MWC 2024で「trinamiX Face Authenticationモジュール」を展示
STMicroelectronics(以下、ST)とドイツtrinamiXおよび、中国Visionoxは2024年2月、スマートフォン向け有機ELディスプレイに組み込み可能な「顔認証システム」を発表した。
開発した顔認証システムは、Visionox製の半透明有機ELディスプレイと、ST製で近赤外線(NIR)感度に優れた高性能グローバルシャッター機能を搭載したCMOSイメージセンサーおよび、trinamiX製のセキュアな生体認識用センサーモジュールとアルゴリズムを組み合わせたシステム。
半透明有機ELディスプレイは、スクリーン背面に顔認証モジュールを埋め込むことができるという。スマートフォンの新モデルに向けて、6〜9カ月以内には出荷できる見通し。スペイン・バルセロナで開催された「MWC(Mobile World Congress) 2024」のtrinamiXブースとSTブースでは、外形寸法が13×8×4.4mmの「trinamiX Face Authenticationモジュール」をデモ展示した。
なお、同モジュールは、International Internet Finance Authentication Alliance(IIFAA)、FIDOアライアンスおよび、Android(Google)が定める生体認証セキュリティの要件を満たしているという。
trinamiXは、生体認証ソリューションや、モバイル型NIR分光ソリューションを手掛けるドイツ企業で、2015年に設立された。Visionoxは、有機ELディスプレイ技術の開発、製造、販売を手掛ける。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ST、オフセット電圧が極めて低いオペアンプを発表
STマイクロエレクトロニクスは、オフセット電圧が極めて低く、温度ドリフトを最小限に抑えた高精度ゼロドリフトオペアンプIC「TSZ151」を発表した。高精度センサーや産業機器/サーバ/通信インフラ用電源などの用途に向ける。 - MCU用コードをMPUに移植するソフトウェア開発
STマイクロエレクトロニクスは、マイコン(MCU)「STM32」用に開発したプログラムコードを、マイクロプロセッサ(MPU)「STM32MP1シリーズ」に移植するためのソフトウェア「STM32CubeMP13」を発表した。システム設計者は、開発済みのソフトウェア資産を活用し、高機能でリアルタイム性能を備えた次世代製品向けソフトウェア開発を容易に行うことができる。 - Matter対応のIoT機器向けソリューションを発表
STマイクロエレクトロニクスとCommScopeは、CSA(Connectivity Standards Alliance)が策定したスマートホームの新規格「Matter」に準拠するIoT機器に向けた「ターンキーソリューション」を発表した。 - 汎用マイコンで画像認識を処理、STのエッジAIソリューション
STマイクロエレクトロニクスは「EdgeTech+ 2023」にて、汎用の32ビットマイコンで組み込みAI(人工知能)を実現するためのソリューションを展示した。組み込みAIソリューションは、同社が現在注力している分野だ。 - 制御ICとGaN HEMTを一体化、STが展示
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2023」に出展し、同社が手掛けるGaN製品を展示した。 - 汎用マイコンでAIを使う、洗濯機内の衣服重量を推定
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2023」で、同社の32ビット汎用Armマイコン「STM32G4」およびAI開発ツール「NanoEdge AI Studio」を活用して、洗濯機内の衣服重量を自動推定するデモを展示した。