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「融点が変わる」はんだ材料 実装温度は250℃、耐熱温度はそれ以上:オートモーティブワールド2024(2/2 ページ)
千住金属工業は、「オートモーティブワールド2024」にて、融点変換型はんだ材料「TLP PREFORM」「TLP PASTE」や低温ではんだ付けできるソルダリングソリューション「MILATERA(ミラテラ)」を紹介した。
従来比80℃低温ではんだ付け CO2削減に貢献
材料/装置/工法を一貫して提供する低温ソルダリングソリューション「MILATERA」も展示した。
MILATERAの材料はスズ-ビスマスはんだで、融点は138℃。従来の鉛フリーはんだ(スズ-銀-銅)の融点は約220℃のため、約80℃低温ではんだ付けできるという。ラインアップは棒はんだ、ヤニ入りはんだ、フラックス、ソルダーペーストをそろえている。実装後の修正などに欠かせないヤニ入りはんだは製造が難しいといい、ブース担当者は「低温実装のスズ-ビスマスはんだ材料でヤニ入りはんだを量産化しているのは現状では千住金属工業だけだ」と説明する。
低温ではんだ付けすることで、CO2排出量やはんだのコテ先消費量の削減が見込める。千住金属工業の試算では、ウェーブはんだ付け装置を用いて標準的な使い方をした場合、年間でCO2排出量を約3トン、消費電力量を約15%削減できるという。
ブース担当者は「材料だけを変えてもうまくいかないことがあるが、千住金属工業は材料だけでなく、装置や工法も合わせて提供しているところが強みだ」と説明した。
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