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半導体材料に「全集中」で次のステージへ、レゾナックのR&D戦略:CTO配下の開発組織を充実(2/2 ページ)
レゾナックは2024年2月29日、CTO(最高技術責任者)配下に設置された研究開発(R&D)組織「CTO組織」の概要や研究開発方針に関するメディアラウンドテーブルを実施した。
半導体材料の研究強化に向け、新組織を設立
さらに、レゾナックは2024年1月、半導体/電子材料の研究強化のため、CTO組織内にエレクトロニクス事業本部のハブとなる「研究所戦略室」を追加した。2.5次元/3次元パッケージングなど次世代半導体パッケージ材料創出に向けた体制を強化している。また、半導体材料人材の増員にも着手していて、CTO組織の研究所(全体)で半導体材料関係の研究開発に携わっている人員の割合は2022年に40%だったが、2023年には60%まで高まった。計算情報科学研究センターでは、2022年に20%だったのに対し、2023年には50%を超え、2024年には70%に拡大する見込みだ。
2023年9月には、半導体材料など需要が高い製品をタイムリーに提供するために、下館事業所(五所宮)(茨城県筑西市)をフィラー/複合材開発のコア拠点として始動。2024年2月には、共創の舞台にオープンイノベーション推進のためのチームを新設した。2024年半ばには、小山事業所(栃木県小山市)に新設したパワーモジュール素材の研究開発拠点「パワーモジュールインテグレーションセンター」において、顧客との共創スペースの確保や装置の導入などの機能拡充を予定している。
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