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SK hynixがHBM3Eの量産を開始、NVIDIAのサプライヤー多様化で競争は激化:3月下旬から供給開始へ(2/2 ページ)
SK hynixがHBM3Eの量産を開始した。2024年3月下旬から顧客に供給する予定としていて、NVIDIAの新世代GPU向けとみられる。
AIメモリに求められる全ての面で「業界最高」とSK
SK hynixは同社のHBM3Eについて「速度や放熱性能を含むAIメモリに求められる全ての面で業界最高」と説明。メモリ帯域幅は1.18TB/s(テラバイト/秒)を実現していて、「1秒間に230本以上のフルHD映画を処理するのに相当する」などと強調している。
放熱性能は前世代品から10%向上した。これは、チップ間の回路を保護するため、積層した半導体チップの間に液状の保護材を注入し、硬化させる工程である「2MR-MUF(Mass Reflow Molded Underfill)」と呼ばれるプロセスを適用したことで実現している。
SK hynixのHBM事業責任者であるSungsoo Ryu氏は、「HBM3Eの量産によって、業界をリードするAIメモリ製品ラインアップが完成した。HBM事業の成功体験と長年にわたって築いてきた顧客との強力なパートナーシップによって、当社はAIメモリの総合プロバイダーとしての地位を確固たるものにするだろう」と述べている。
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