TIが語る、電源設計の最新技術トレンドと設計支援の取り組み:リファレンスデザインも多数展示(2/2 ページ)
日本テキサス・インスツルメンツは2024年3月、電源設計者向けのセミナーを開催。併せて記者説明会も実施し、電源設計の最新技術トレンドや同社の顧客の設計支援に関する取り組みについて語った。
「何万もの製品からの組み合わせをサポート」 TIの顧客支援
TIは電源設計の重要課題として「低EMI(電磁妨害)」「電力密度」「低IQ」「低ノイズと高精度」「絶縁」の5つを掲げて製品開発や顧客支援に取り組んでいる。顧客支援の方法としては「プロダクトライン」「セールス」「システムエンジニアリング」の3つのアプローチを行っている。
プロダクトラインチームは顧客が必要とする革新的な製品を開発することに焦点を当てている。セールスチームは顧客と密に連携してニーズを把握し、最適なソリューションを提供できるようにしているという。Taylor氏とShenoy氏の所属するシステムエンジニアリングチームは、顧客のエンド機器設計の課題をシステムレベルで理解し、さまざまな商品を組み合わせることで最良のソリューションを作って課題解決を図っている。
Shenoy氏はシステムエンジニアリングチームについて、「戦略的な形で顧客の電源設計の課題解決を支援する役割だ」と説明する。そのため、特定の製品に特化せず、TIの製品全般について支援を行うという。またTIの製品ポートフォリオには何万点もの製品があるため、「顧客がどの製品をどう組み合わせればよいかを考えるのにサポートが必要な場合がある」とした。そのためにリファレンスデザインをHP上で公開しているほか、顧客との具体的なやりとりの中では使用部品を提案したり、デザインに対するアドバイスを行ったりするという。
会場では、Taylor氏とShenoy氏の所属するパワーデザインサービスチームが設計したリファレンスデザインが複数展示されていた。
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