ルネサス、32ビットマイコン「RA2A2」を発売:スマートメーター向けに機能強化
ルネサス エレクトロニクスは、スマートメーターや産業用センサー、計測機器などに必要となる周辺機能を搭載した32ビットマイコン「RAファミリー」として新たに「RA2A2」を発売した。
Cortex-M23コアや24ビットΔΣA-Dコンバーターなど搭載
ルネサス エレクトロニクスは2024年3月、スマートメーターや産業用センサー、計測機器などに必要となる周辺機能を搭載した32ビットマイコン「RAファミリー」として新たに「RA2A2」を発売した。
RA2A2は、動作周波数が最大48MHzのArm Cortex-M23コアや最大7チャネルのデジタルフィルター付き24ビットΔΣA-Dコンバーター、12ビットSAR A-Dコンバーター、温度センサー、512Kバイトのデュアルバンクフラッシュメモリおよび、48KバイトのSRAM、LCDコントローラなどを集積した。内蔵したフラッシュメモリは、デュアルバンク機能やバンクスワップ機能を備えており、搭載機器を出荷した後でもファームウェアのアップデートを容易に行える。
電力消費も抑えた。アクティブモードで100μA/MHz、ソフトウェアスタンバイモードで0.40μAと、消費電流は極めて小さい。リアルタイムクロック(RTC)は、独立電源で動作する。このためVCC電源を切っても、極めて少ない電力消費でクロックをカウントし続けることができるという。これにより、バッテリーによる長時間駆動を可能にした。
また、AES暗号ハードウェアアクセラレータや、±1.0%という高い精度の高速オンチップオシレーターなども搭載した。動作電圧範囲は1.6〜5.5Vである。パッケージは100端子、80端子および、64端子のLFQFPで供給する。
RA2A2は、さまざまなセンシング機器を対象としているが、中でも期待している用途が、非侵入型負荷モニタリング(NILM)技術搭載の次世代スマートメーターである。8KHz/4KHzハイブリッドサンプリング機能を搭載しており、総負荷の電流と電圧、高調波の測定が容易になるという。
ルネサスは、RA2A2応用システムの開発を支援するため、「FSP(Flexible Software Package)」を用意している。FSPにはさまざまな RTOSやBSP(Board Support Package)、周辺ドライバー、ミドルウェア、コネクティビティ、ネットワーク、セキュリティスタックといった基本ソフトウェアに加え、複雑なAIやモーター制御、クラウドのソリューションを構築するためのリファレンスソフトウェアなどが含まれている。ユーザー独自のソフトウェアコードなどもFSPに統合できる。さらに、「3相スマート電力メーター」など、ウィニング・コンビネーションも提供している。
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