セイコーインスツル、国内製造拠点の使用電力を100%再エネ化:CO2排出量を年間1.8万トン削減
セイコーインスツル(SII)は、国内全製造拠点で使用する電力を100%、再生可能エネルギー由来に切り替える。これによってCO2の排出量を年間で約1.8万トン削減できる見込みだという。
セイコーグループは2024年3月26日、同社の子会社で電子部品/精密部品の製造と販売を手掛けるセイコーインスツル(SII)が、国内全製造拠点で使用する電力を100%、再生可能エネルギー由来に切り替えると発表した。2024年4月1日から購入電力を再生可能エネ由来の契約に切り替えることによるもので、これによってCO2の排出量を年間で約1.8万トン削減できる見込みだという。
国内5カ所の製造拠点が対象
今回、SIIが電力契約の切り替えを行うのは高塚事業所(千葉県松戸市)、大野事業所(千葉県市川市)、仙台事業所(仙台市)、秋田事業所(秋田県大仙市)、エスアイアイ・クリスタルテクノロジー(栃木県栃木市)の5カ所。うち高塚/大野/エスアイアイ・クリスタルテクノロジーの3カ所は、東京電力エナジーパートナーが提供する再生可能エネルギー指定の非化石証書を組み合わせた電力供給プランに、仙台/秋田の2カ所は東北電力が提供する東北/新潟の水力発電所由来の環境価値を有する電力供給プランに切り替えるとしている。
セイコーグループは、事業に関わる全ての温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにする「ネットゼロ」を目標に掲げている。国内では既にセイコーグループのほか、グループ企業のセイコーウオッチと和光が使用電力の100%再エネ化を達成していて、今回のSIIを含め、2024年度中にグループ全体で国内における再生可能エネルギー導入100%を達成する予定だという。
セイコーグループは、「これからも積極的に省エネに取り組むとともに、再エネ電力契約への切り替え、太陽光パネルの設置、オンサイト/オフサイトPPAの導入など、さまざまな施策の推進によりCO2の削減を加速し、持続可能な社会の実現に貢献していく」としている。
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