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豊富な製品群とオープンソースの活用で「AIの民主化」を進めるAMD:AMDプレジデント Victor Peng氏(2/2 ページ)
日本AMDは2024年4月に都内で記者説明会を開催。AMDでプレジデントを務めるVictor Peng氏が、エッジAI(人工知能)向けの製品やAMDの強みなどについて語った。
JR九州やアイシン 日本でのAMDの採用事例
AMDはAIプラットフォームにおけるエコシステムの拡張も進めていて、自動車や産業機器、PC、航空宇宙などの分野で多くのパートナーが存在する。Peng氏は日本での採用事例を紹介した。JR九州では、AMDのSOM(System On Module)製品「Kria K26 SOM」を用いて線路点検を自動化しているという。SOMは、AMDのプログラマブルSoC(System on Chip)やメモリなどをボードに集積した製品。AIソリューションを提供するTAI(Tokyo Artisan Intelligence)とJR九州が共同開発した新幹線線路点検ソリューションに、Kria K26 SOMが搭載されている。高速の画像処理などにより、ボルトの緩みなど線路のさまざまな問題を検出、判定するという。オートモーティブ向けのプログラマブSoCである「XA(Xilinx Automotive) Zynq UltraScale+ MPSoC」が、アイシンの次世代自動駐車支援(APA:Automated Parking Assist)システムに採用されたことも紹介した。同システムを搭載したモデルは量産車は2024年に登場する予定だという。
Peng氏は「AIは素晴らしいトランスフォーメーションだが、まだ初期段階」と話し、今後エッジAIを含め、AI市場が大きく成長していくであろうことを強調した。
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