エッジ向け「Spartan UltraScale+」、AMDが発表:コスト効率や電力効率を向上
AMDは、コスト効率や電力効率を高めるなど、エッジ向けに最適化したFPGAファミリー「AMD Spartan UltraScale+」を発表した。
「業界最高水準」のI/O対ロジックセル比率を実現
AMDは2024年3月、コスト効率や電力効率を高めるなど、エッジ向けに最適化したFPGAファミリー「AMD Spartan UltraScale+」を発表した。
Spartan UltraScale+は、16nm FinFET技術を用いるとともに、ハード化されたLPDDR5メモリコントローラやPCIe Gen4×8などを採用することによって、28nm Artix 7ファミリーと比べ、消費電力を30%削減した。
同ファミリーとしては、ロジックセル数が11K個で最大I/O数が304本の「SU10P」から、ロジックセル数が218K個で最大I/O数が572本の「SU200P」まで、9製品を用意した。I/O数が多いため、複数のデバイスやシステムとシームレスに統合し、効率の良い接続が可能となる。
「28nm以下のプロセス技術で製造されたFPGAとしては、業界最高水準のI/O対ロジックセル比率を実現した」(同社)という。パッケージの外形寸法はSU10Pなどの10×10mm品から、SU200Pなどの23×23mm品まで、3タイプを用意した。
セキュリティについても最新の機能をサポートしている。IP保護に向けたNIST認定アルゴリズムによるポスト量子暗号のサポートや、PPK/SPKキーなどによる改ざん防止、SEU(シングルイベントアップセット)性能の強化による信頼性向上、などである。
FPGA市場におけるAMDの強みは、提供する開発環境にもある。「AMD Vivado Design Suite」や「Vitis Unified Software Platform」を活用すれば、1つのツールでシミュレーションからデバッグまで一貫して行える。このため、設計者は開発効率を高めることができる。
なお、Spartan UltraScale+のサンプル品と評価キットは、2025年前半より提供を始める。ツールのサポートは2024年第4四半期の予定。仕様書は既に公開している。
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