空間に溶け込む一体感 TOPPANの新ディスプレイ:そこにあってそこにない
TOPPANは2024年4月19日、ホテルや商業スペースに向け、透過加飾技術を用いたディスプレイシステム「ダブルビューサイネージ」を発売した。ディスプレイ画面への加飾と鮮明な映像表示を両立し、高いデザイン性を要求する空間においてインテリアと調和する。
TOPPANは2024年4月19日、ディスプレイ画面への加飾と鮮明な映像表示を両立した特殊な化粧シート「ダブルビューフィルム」を開発した。さらに、そのダブルビューフィルムを搭載したデジタルサイネージ「ダブルビューサイネージ」の販売を開始した。
ウォールパネルの後ろから映像を投影することで、従来のプロジェクター投影における人影の写り込みといった映像阻害や壁面デザインへの干渉を防ぎ、映像が壁から浮かびあがるような体験を視聴者に提供する。
ダブルビューフィルムは、TOPPANが建装材事業で培った透過加飾技術を用いたもの。独自の印刷技術とインキによりディスプレイ画面を鮮明に表示できる。これにより、鮮やかな映像表示が可能なダブルビューサイネージを実現した。ディスプレイサイズは55型で、パネルサイズは幅1333mm×高さ813mm×奥行き140mm。対応コンテンツは、文字や動画などさまざまだ。
ウォールパネルのデザインは、ウッド調やメタル調など5種類を用意する。デジタル感が軽減され、より高品位なインテリアの空間を実現するため、施設やホテルのエントランスなど高いデザイン性が要求される空間での使用に適している。
近年、店舗や公共空間で普及しているLEDサイネージやプロジェクター投影では、機器が常に視界に入ることによる不快感や、非使用時の黒い画面に対する違和感が課題となっていた。今回の製品では、プロジェクター投影における人影の写り込みや壁面の遮りが解消され、よりインテリアの空間に溶け込むディスプレイシステムを実現した。
なお、ダブルビューサイネージに適応したコンテンツ制作から施工までをTOPPANが提供する。販売目標は2027年までに50億円(関連受注を含む)を目指す。
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