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凸版印刷、パワー半導体の製造代行事業に参入:JSファンダリと協業
凸版印刷は2023年4月、パワー半導体向けの受託製造ハンドリングサービスを提供開始した。JSファンダリと協業し、2027年度には関連受注を含め、30億円の売り上げを目指すとしている。
凸版印刷は2023年4月28日、パワー半導体向けの受託製造ハンドリングサービスの提供を開始したと発表した。2027年度には関連受注を含め、30億円の売り上げを目指すとしている。
多品種小ロット品の安定供給を支援
同サービスでは、パワー半導体を対象に、デバイスメーカーが保有するウエハー製造プロセスのポーティング(別の生産ラインへの移植)およびウエハー製造を代行する。同社は、「本サービスを利用することで、デバイスメーカーは、自社の製造工場でパワー半導体の旺盛な量産需要に応えつつも、そのあおりで出荷困難になりがちだった多品種小ロット品についての安定供給が可能となる」としている。
ウエハー製造プロセスは、協業契約を結んだJSファンダリの新潟工場(新潟県小千谷市)内に構築する。両社は、JSファンダリの6インチウエハー製造ラインの優先的な使用について合意しているという。まず、6インチウエハープロセスのポーティングおよび製造代行からサービスを開始し、「エピタキシャル工程」「裏面工程」など、ウエハー製造に関わる部分的な加工のみにも対応。さらに2024年夏以降は、同工場に新設される8インチウエハーラインも利用可能になる予定だとしている。
また、凸版印刷の半導体設計子会社トッパン・テクニカル・デザインセンターによる、パワー半導体の設計から製造までを請け負うターンキーサービスも2024年度中に提供を開始する予定だ。
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