この記事は、2024年5月7日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記を転載したものになります。
エッジAIにフォーカスしたイベント、ようやく開催できる運びに
あっという間に連休が終わり、今日からまた仕事が始まりました。なぜかいつも全国的に晴天に恵まれるゴールデンウイーク。ことしも東京は暑すぎずさわやかな天気が続き、本当に気持ちのよいお休みを過ごすことができました。
今回は、2024年6月にEE Times Japanが開催するオンラインイベント「エッジAI イニシアチブ 2024」をご紹介したいと思います。
前回の編集後記で書こうと思いつつ、「H3」ロケットにまつわる開発秘話に心を奪われ、書く内容をころっと変えてしまった、例の告知です。
末端の機器(スマートフォンでも自動車でも)で推論を行うエッジAIは、ここ5〜6年EE Times Japan/EDN Japan/MONOistが最も注力してきたテーマの一つです。EE Times Japanが毎年1月に特集している「ことしの注目技術」として、初めてこのテーマを取り上げたのが2020年。その数年前から「エッジAI」という言葉は既に注目を集めていました。
2020年からの4年間で最も大きく変わったと感じるのが、現場で実際に使えるソリューションが増えていることです。展示会でも、具体的な用途や現場での活用をイメージしやすいデモをよく見かけるようになりました。エッジAI向けの技術は成熟期に向けて、着実に進歩していると感じます。そのタイミングで、エッジAIのみにフォーカスしたオンラインイベントをEE Times Japan主催で開催できる運びとなりました。イベントのホームページを見て「ああ、ようやく……」と少しずつ実感がわいています。
「エッジAI イニシアチブ 2024」では6月19日(水)〜21日(金)の3日間にわたり、「製造/FA/ロボティクス」「モビリティ」「AIインフラ/データセンター」の3つのテーマに焦点を当て、エッジAIの動向をお伝えします。基調講演や招待講演は、三菱電機のAI技術「Maisart(マイサート)」の実用例や、京都工芸繊維大学による車載半導体の検査の高信頼性化と高効率化を実現した事例、BWMが語る「エッジAIが自動車にもたらす可能性」、台湾 工業技術研究院(ITRI)が紹介するエッジAIチップの開発動向など、できるだけ技術とアプリケーションの両方の観点でトレンドをお伝えできるものをそろえました。
エッジ/エンドポイントの機器は数が多いだけに、エッジAIが本格的に普及すれば、製造業をはじめ、さまざまな分野に大きな変化をもたらすと考えられます。主催者側ではありますが私自身も、エッジAIの活用の裾野がどこまで広がり、どのように社会や業界を変えていくのか、強い関心を持っています。
視聴してくださる皆さまにとって、エッジAIの現状と可能性を探る上で、少しでも役立つイベントになることを願っています。
⇒「エッジAI イニシアチブ 2024」の詳細・参加登録はこちらから(アイティメディアIDへの登録・ログインが必要になります)
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