GDDR7 DRAMはAI用途でHBMの「代替品」として飛躍する可能性も:生成AIの普及でHBMの需要が増す中(2/2 ページ)
JEDEC Solid State Technology Associationは2024年3月に、次世代グラフィックス製品向けのメモリ規格「GDDR7」の仕様策定を完了したと発表した。生成AI(人工知能)の急速な普及に伴い、HBM(広帯域幅メモリ)の需要が大幅に増加する中、GDDR7がHBMの“代用品”になる可能性があると関係者は語る。
GPUメーカーとAIワークロードがGDDRをけん引
Ternullo氏は、「AIの需要がGDDRの進化を形成している」と付け加え、「NVIDIAのような企業は、グラフィックスプロセッサがグラフィックス以外にも多くの用途に利用できることを教えてくれた」と語った。GDDRが当初のターゲット市場を超えた用途を見いだした理由の一つは、GPUの並列演算能力がAIワークロードの処理に役立つことが分かった、という事実である。
GPUメーカーのNVIDIAは、より高速で信頼性の高いメモリを求めていたため、PAMを採用した。Ternullo氏は、「超高速データ伝送では、チャネルの整合性(インテグリティ)がより大きな懸念事項になる。そこで重要となるのが信頼性だ」と述べる。
RambusはHBMと同様に、GDDRエコシステムをサポートするために必要なIPも提供する。同社は最近、40Gbpsの動作をサポートしGDDR7メモリデバイスに160GB/秒のスループットを提供するという、業界初のGDDR7メモリコントローラーIPを発表した。
Ternullo氏は、「JEDEC規格の発表からそれほど時間を置かずにGDDR7メモリコントローラーIPをリリースできたのは、Rambusが早期に市場の主要顧客との協力を開始したためだ」と述べている。
Ternullo氏によると、AIの急速な進歩に伴って、顧客はシステムが長期にわたって動作することを確認したいと考えるようになっており、これにはHBMもしくはGDDR7が製品のライフサイクルを通じて帯域幅要件を満たすかどうかを評価することも含まれるという。
「HBMは理解するのが難しい技術だが、RambusはIPプロバイダーとして、顧客が選択肢を評価するのを支援できる。GDDR7は、当社が提供するツールの一つにすぎない。顧客がシステムの課題や要件を満たす方法を見つけ出せるように、選択肢を増やすということなのだ」(同氏)
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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