1個で複数モーターを遠隔制御できるLoRa変調対応SoC:ワイヤレスジャパン 2024(2/2 ページ)
STマイクロエレクトロニクスは「ワイヤレスジャパン 2024」(2024年5月29〜31日/東京ビッグサイト)に出展し、Lora変調対応のSoC(System on Chip)「STM32WL55JCI」や超低消費受信待機ができるサブギガヘルツ帯無線SoC「STM32WL33」を展示した。
Bluetooth LE Audioを簡単に活用できるワイヤレスSoC
STは、ワイヤレスSoC「STM32WBA」シリーズを使ったBluetooth LE(Low Energy) Audioのデモを展示した。
Bluetooth LE Audioは、2020年に発表されたBluetoothの次世代音声規格だ。従来のBluetooth Audio(Classic Audio)とは異なる新しい音声コーデックや伝送方式を使用することで、高音質/低遅延/低消費電力を実現した。
STM32WBAシリーズは、「Arm Cortex-M33」コアをベースとし、最大1Mバイトのフラッシュメモリと128KバイトのRAMを搭載していて、アプリケーションとコネクティビティの両方をサポートする。ブースでは、MP3音楽プレイヤーの音を、STM32WBAシリーズを活用してBluetooth LE Audioで無線伝送するデモを展示していた。
ST ワイヤレス製品部 マイクロコントローラ&デジタル製品グループ マネージャーの椿原潤吾氏は、Bluetooth LE Audio分野でのSTの特長について「性能面については、標準規格のため他社との差別化は難しい」としつつ、「STは、SoCの提供と同時に評価キッドもいち早く提供しているため、顧客はすぐに性能を試すことができる。また、STM32シリーズの開発エコシステムやサポートを豊富に用意していて、10年間の供給保証も行っている」と説明した。
また、同氏は、STにおけるワイヤレス分野の立ち位置について「注力分野の1つであり、人的/金銭的投資を積極的に行っている」と述べ、今回のワイヤレスジャパン 2024への出展について「今までは、他の企業/団体のブースの一部を借りて出展することが多かったが、今回は単独ブースを構えている。これも本気度の表れだと捉えてほしい」語った。
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