出力5kWの青色レーザー発振器、古河電工が開発:モーター巻線の溶接時間を20%短縮
古河電気工業は、光ファイバーからの輝度が出力5kWという青色レーザー発振器を開発した。この発振器には、日亜化学工業と共同開発した出力800Wの青色レーザーダイオードモジュール(LDM)を搭載しており、xEV(電動車)用モーター巻き線の溶接時間を従来よりも20%短縮できるという。
日亜化学と共同開発した出力800Wの青色LDMを搭載
古河電気工業は2024年6月4日、光ファイバーからの輝度が出力5kWという青色レーザー発振器を開発したと発表した。この発振器には、日亜化学工業と共同開発した出力800Wの青色レーザーダイオードモジュール(LDM)を搭載しており、xEV(電動車)用モーター巻き線の溶接時間を従来よりも20%短縮できるという。
古河電工は、Blue-IRハイブリッドレーザー「BRACE X」を2022年1月に発売し、厚みが5mmある銅のスパッタレス加工や、高速かつ残りかすのない巻線被膜除去を行ってきた。BRACE Xに搭載した青色LDMについては、日亜化学と協力して開発した。
今回、古河電工と日亜化学は、従来に比べ出力が1.5倍以上となる800W(コア径110μm)の青色LDMを共同開発した。そして、青色LDMの光出力を光ファイバーのまま、結合部品(コンバイナ)で1本の光ファイバーに結合させた。これにより、従来に比べ2倍以上となる5kW(コア径300μm)の出力を達成した。1本の光ファイバーからレーザー光が出力されるため、製造装置の構成も簡素化できるという。
開発した青色レーザー発振器は、スパッタレスの条件範囲も拡大、厚みが4mmという銅の溶接時間も、従来に比べ3分の1に短縮できるという。青色レーザーの出力が向上したことで、青色レーザー単体での溶接も可能となった。これにより、xEV用モーター巻線の溶接時間は、これまでのハイブリッドレーザーシステムと比べ、約20%短縮できることが分かった。
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