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ソフトバンク、300GHz帯テラヘルツ無線の実証実験に成功:走行する車両向けの高速通信技術(2/2 ページ)
ソフトバンクは、独自のアンテナ技術を用い、300GHz帯テラヘルツ無線の実証実験に成功した。300GHz帯を利用し走行中の車両と高速通信が可能となる。
「港区を走り回る」実証実験
実証実験は、東京・港区にあるソフトバンク本社ビル付近の道路上で行った。高さが地上約10mの歩行者用デッキに、コセカントアンテナを取り付けた基地局相当の無線機を設置し、5G用の変調信号を300GHzに変換して送信した。そして、コセカントアンテナや300GHzを5G用の周波数に変換する機材を搭載した測定車が、歩行者用デッキの下を通る直線道路上を走行し、5G用の信号を受信した。
実証実験では、車の走行速度を「徐行」から「時速30km」まで変化させて測定した。この結果、基地局周辺から約140m先の区間において、常に安定して試験信号を受信し復調できることを確認した。測定したデータから、140m以上の長距離でも通信が可能とみている。
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