世界半導体製造装置売上高、2024年は過去最高に:2024年央市場予測、SEMIが発表
SEMIは、世界半導体製造装置(新品)の2024年央市場予測を発表した。これによると、2024年は前年比3.4%増の1090億米ドルに達し、過去最高の規模となる見通しだ。2025年も市場は続伸し、売上高は1280億米ドルになると予測した。
2025年も市場は続伸し、2024年の売上高を更新へ
SEMIは2024年7月9日(現地時間)、世界半導体製造装置(新品)の2024年央市場予測を発表した。これによると、2024年は前年比3.4%増の1090億米ドルに達し、過去最高の規模となる見通しだ。2025年も市場は続伸し、売上高は1280億米ドルになると予測した。
セグメント別の売上高予想を見ると、ウエハーファブ装置(ウエハープロセス処理装置、ファブ設備、マスク/レチクル製造装置)市場は、2024年に2.8%増の980億米ドルとなる見通し。2023年12月の予想値(930億米ドル)から大幅に修正された。
その要因として「中国の好調な設備投資の継続」や「AIコンピューティングに向けたDRAMおよびHBM(広帯域メモリ)への投資」を挙げた。2025年も先端ロジックやメモリ関連の需要増により、ウエハーファブ装置の売上高は、14.7%増の1130億米ドルになると予測した。
後工程装置の売上高は、過去2年間にわたって減少してきたが、2024年後半より市場回復が見込まれている。中でも、半導体テスト装置は7.4%増の67億米ドル、組み立ておよびパッケージング装置は10.0%増の44億米ドル、という売上高がそれぞれ予想されている。
2025年も後工程装置市場は拡大する見通し。テスト装置は30.3%増、組み立ておよびパッケージング装置は34.9%増と、大きな伸びとなる。この要因として「ハイパフォーマンス・コンピューティング用半導体デバイスの複雑化」と「車載、工業、コンシューマーエレクトロニクスの最終製品市場からの需要回復」を挙げた。前工程ファブの建設ラッシュも後工程装置需要を押し上げる。
アプリケーション別の売上高もまとめた。ファウンドリーおよびロジック分野向けウエハーファブ装置市場の2024年売上高は、前年比2.9%減の572億米ドルと予測した。2025年は10.3%増の630億米ドルを見込む。「最先端技術に対する需要の増加」「新デバイス・アーキテクチャの導入」「生産能力拡大のための投資増」などが寄与する。
メモリ分野向け装置では、NAND製造用装置の売上高が2024年に1.5%増の93.5億米ドルとなるが、2025年には55.5%増の146億米ドルと予測した。これに対しDRAM製造装置の売上高は、2024年に24.1%増加し、2025年は12.3%増を見込んでいる。AIコンピューティングに向けたHBMの増加などが装置需要をけん引する。
半導体製造装置の売上高を地域別にみると、設備投資に積極的な「中国」「台湾」「韓国」が、2025年まで投資額で上位を維持するとみている。中でも、中国への装置出荷額は2024年に過去最高の350億米ドルを超える見込み。ただ、2025年は投資が縮小するとみられている。
SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manocha氏は、「今年から進行している半導体製造装置市場の拡大は、2025年には約17%もの力強い成長へと進むことが予測される。世界の半導体産業は、AI技術が生み出す多様な革新的アプリケーションを支えており、その堅調なファンダメンタルズと成長の可能性を明らかにしている」とコメントした。
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