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JDIの24年度1Qは赤字幅が半減、車載やOLEDが好調OLEDは41%の大幅増(2/3 ページ)

ジャパンディスプレイの2024年度第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比6%増の559億円、営業利益が同68億円増で70億円の赤字、純利益が同57億円増で65億円の赤字となった。コア事業での売り上げ増加に加え、製品ミックス改善や固定費削減、在庫効率化によって損失を大幅に圧縮。EBITDAは51%、営業利益は49%、純利益は53%の改善となった。

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事業/分野別業績の詳細

 売上高を事業および分野別にみると、コア事業うち車載向けは新製品を含む需要増および円安効果によって前年同期比15.5%増の336億円となった。同社は車載向けについて「長期供給契約に基づいた安定性の高い成長ドライバー」と説明。2024年12月から量産開始予定の次世代OLED「eLEAP」や、同年8月2日に発表した、見る角度によって異なる2つの映像を1つのディスプレイで表示できる技術「2 Vision Display(2VD)」などの新規技術に基づく製品の商談も活発だという。

 スマートウォッチ/VR向けでは、VRの需要減があるものの、スマートウォッチ用のOLEDの需要が拡大し同41%増収となったことから、全体としては同3.6%増の164億円で着地した。

2024年度第1四半期の事業別の売上高
2024年度第1四半期の事業別の売上高[クリックで拡大]出所:ジャパンディスプレイ

 ノンコア事業のスマホ向け液晶は前述の通り「撤退に向けて粛々と縮小を進めている」(坂口氏)ことから同26.9%減の59億円となった。なお欧米向けでは同16%減の54億円、中国向けは同71%減の5億円となっている。JDIはスマホ向け事業について、「eLEAPを通じて競争優位性をもって、より収益性の高い形で再参入する」としている。

 営業利益の増減要因をみると、数量減の影響(−12億円)はあったものの、在庫効率化などの影響(+40億円)や為替の好影響(+14億円)、固定費削減効果(+9億円)、ノンコア事業からコア事業へのシフトおよび車載事業における不採算ライン縮小/撤退の進展などによるミックス改善(+18億円)によって、前年同期の139億円の赤字から今四半期は70億円の赤字と、損失をほぼ半減させている。

前年同期比の営業利益増減要因
前年同期比の営業利益増減要因[クリックで拡大]出所:ジャパンディスプレイ

 なお、営業利益を前四半期比で見ると赤字が5億円増加したが、同社は「これは基本的に数量減によるものだ。当社は季節性要因として第1四半期が四半期の中で最も売り上げが低い。本年度も同様の季節性の効果が出ている」と説明している。

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