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住友化学の韓国子会社、透明LEDディスプレイ発売:周囲の景観や視界を妨げない
住友化学の韓国子会社である東友ファインケムは、「ガラスタイプの透明LEDディスプレイ」を実用化し、韓国内で販売を始めた。電気自動車(EV)や商業ビルなどに透明ディスプレイを採用することで、新たなデジタル屋外広告を実現できるという。
電気自動車(EV)や商業ビルで、新たなデジタル屋外広告を実現
住友化学は2024年9月、韓国子会社の東友ファインケムが、「ガラスタイプの透明LEDディスプレイ」を実用化し、韓国内で販売を始めたと発表した。電気自動車(EV)や商業ビルなどに透明ディスプレイを採用することで、新たなデジタル屋外広告を実現できるという。
透明ディスプレイは、透明な樹脂やガラスの基板に光源を配置した構造である。ディスプレイに表示された内容を確認しながら、ディスプレイの後部も透けて見通すことができる。このため、周囲の景観や視界を妨げずにディスプレイを設置することができる。
東友ファインケムはこれまで、タッチセンサーなどを手掛けてきた。この事業で培ってきた独自の微細加工技術を生かし、高い透過率と高解像度の映像表示を両立させた透明LEDディスプレイを開発した。特にガラス基板を採用したことで、フィルム基板などに比べ、衝撃や燃焼などによる損傷にも強い耐性を実現している。
東友ファインケムは、車窓に搭載する広告ディスプレイ用として、韓国のEVバスに向け販売を始めた。今後は、モビリティや屋内外の標識、建物外壁といった用途にも提案していく予定である。
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