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医療機器向け電池の生産倍増に50億円投資、マクセル:アルカリボタン電池、酸化銀電池など
マクセルは2024年9月13日、今後需要拡大が見込まれる医療機器向け一次電池の増産に向けて小野事業所(兵庫県小野市)に約50億円を投資し、2027年度中に生産能力を現状比で2倍に増強すると発表した。
マクセルは2024年9月13日、医療機器向け一次電池の生産能力増強に50億円を投資すると発表した。小野事業所(兵庫県小野市)に新生産ラインを構築し、2027年度中に生産能力を現在の約2倍に増強する。
新ラインは2027年10月に完成予定で、増築面積は約5600m2。小野事業所では、主にアルカリボタン電池、酸化銀電池、コイン形リチウム電池などの一次電池を生産している。これらの電池は、持続血糖モニタリング(CGM)やカプセル内視鏡などの小型医療機器に使用されている。
マクセルは、今回の投資について「マクセルの一次電池は、長年培った封止技術や長寿命化技術により、医療機器向け電池に求められる高い信頼性を実現している。医療機器向けの一次電池は、今後もグローバル市場で需要拡大が見込まれることから、増産を決定した」とコメントしている。なお、今回の投資は、2024年6月5日に公表した中期経営計画「MEX26」に盛り込んでいる約350億円の成長投資の一環だという。
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