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12インチウエハーを用いてSiパワー半導体チップを量産:モジュール組み立て工程に供給開始
三菱電機は、パワーデバイス製作所福山工場の12インチSiウエハー対応ラインで製造したパワー半導体チップの本格出荷を始めた。同社は「2025年度までにSiパワー半導体の前工程における生産能力を、2020年度に比べ約2倍とする」中期計画に取り組んでいる。
Siパワー半導体前工程の生産能力、2025年度までに2020年度比約2倍へ
三菱電機は2024年9月30日、パワーデバイス製作所 福山工場(広島県福山市)の12インチSiウエハー対応ラインで製造したパワー半導体チップの本格出荷を始めた。同社は「2025年度までにSiパワー半導体の前工程における生産能力を、2020年度に比べ約2倍とする」中期計画に取り組んでいる。
パワーデバイス製作所福山工場は2021年11月に稼働し、2022年4月から8インチSiウエハー対応の生産ラインで、Siパワー半導体チップの量産を始めた。2023年8月には12インチSiウエハー対応生産ラインの導入が完了し、量産開始に向けて準備を進めてきた。福山工場で製造されたパワー半導体チップは、出荷先の組立工程に送られて、モジュール製品に仕上げられる。
8インチSiウエハー対応生産ラインに加え、12インチSiウエハー対応生産ラインの本格稼働により、最新Siパワー半導体モジュールの需要増に対応し、迅速かつ安定的にモジュール製品の供給が可能となる。
パワー半導体は電力を効率よく変換できるため、需要が拡大している。中でもSiパワー半導体は電気自動車(EV)や民生機器、産業用機器、再生可能エネルギー、鉄道車両などの用途で活用されている。
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