米で半導体人材育成が本格化 3000万ドルで専門組織を設立:米国立科学財団と商務省が発表
米国が半導体/エレクトロニクス業界の人材確保に向けた取り組みを強化している。米国立科学財団(NSF)と米商務省(DoC)は、CHIPS法の一環として、半導体業界の人材育成に向け3000万米ドルを投じて組織を立ち上げると発表した。
サプライチェーンのレジリエンスを高めるべく、各国/地域の政府が半導体エコシステム設立に取り組む中、半導体業界における人材獲得競争は、世界中で耳にするようになった。2024年9月には、米CHIPS法(CHIPS and Science Act)の一環として、National Network for Microelectronics Education(NNME/マイクロエレクトロニクス教育のための全米ネットワーク)を管理するために3000万米ドルの資金が提供されることが報じられた。
米国立科学財団(NSF)と米商務省(DoC)は、バイデン-ハリス政権が署名して成立した超党派のCHIPS法の一環として、3000万米ドルの資金を投じて「ネットワーク調整ハブ(Network Coordination Hub)」を設立すると発表した。ネットワーク調整ハブは、NNMEを管理し、今後10年間で米国の半導体およびマイクロエレクトロニクス業界で必要とされる高賃金の仕事に向けて、熟練した働き手を育成するという国家戦略を主導する。同ハブは、DoCと緊密に連携しながらNSFが管理する。
NSFとDoCは現在、高等教育機関や非営利団体、または当該機関や組織などから、ネットワーク調整ハブを設立および運営するための提案を募集している。このハブは、それぞれが独自のプログラムやセンターを持つ地域コンソーシアム連合を調整し、一貫性があり厳格で魅力的なカリキュラムや教材、体験の機会、教師の専門能力開発などを全米で提供する役割を担う。
ネットワーク調整ハブの運営に関心のある提案者は、2024年10月28日(米国時間)までに申請しなければならない。同ハブには3000万米ドルが提供されるが、NNMEは、米国の半導体およびマイクロエレクトロニクス業界の長期的な成功に必要な次世代の人材育成に最大2億米ドルの投資を想定している。
NSFのディレクターを務めるSethuraman Panchanathan氏は2024年10月初頭の発表で、「全ての米国人を、あらゆるレベル、あらゆる産業、全ての州で育成することは、米国の競争力にとって極めて重要だ。NNMEは、より多くの機会と訓練、そして、より多くの業界とつながりを深め、半導体/マイクロエレクトロニクス業界が米国人の熟練した働き手を確保できるようにする」と強調した。
加えて、この発表には、米国商務長官のGina Raimondo氏のコメントも含まれていた。「能力のある熟練した労働力は、CHIPS for Americaプログラムのビジョンを実現するための基本である。これは、政府全体による包括的な取り組みである。労働者が、半導体業界でキャリアを築くために必要なスキルを身に付けられるよう支援する」
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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