ルネサス、24年3Qは「ブレーキ踏み足りず」 在庫削減を継続:4Qは大幅減収想定(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは、2024年12月期第3四半期(7〜9月)の決算(Non-GAAPベース)を発表した。売上高は前年同期比9.0%減の3453億円、売上総利益率は同2.1ポイント減の55.9%だった。営業利益は同339億円減の984億円で、営業利益率は同6.4ポイント減の28.5%と、減収減益だった。
自動車向け売上高は減少も「慌てず対応」
事業分野別では、自動車向け事業の売上高は1855億円で、前年同期比10.3%増、前四半期比2.6%減。産業/インフラ/IoT向け事業の売上高は前年同期比24.3%減、前四半期比4.8%減の1582億円だった。柴田氏は「年単位で見れば、まだ自動車向け事業は成長している。慌てることなく長期的な課題に対応していく」とした。
研究開発への投資を継続
自社在庫については、第3四半期から生産調整を行い、在庫額/DOI(Days of Inventory)ともに前四半期比で減少した。第4四半期は生産調整を継続し、前工程の加工を終えたウエハーを備蓄する「ダイバンク」も圧縮することで、さらに在庫額が減少する見込みだ。
販売チャネルの在庫額については、前四半期比で増加した。産業/インフラ/IoT向けでは減少したものの、自動車向けが増加したという。第4四半期は、自動車向けで販売チャネルへの納入を抑え、在庫消化の促進を狙う。産業/インフラ/IoT向け在庫は横ばいを見込む。
第3四半期の稼働率は予想を下回る40%台半ばに着地した。第4四半期はさらに稼働率を抑え、30%程度まで減少する見込みだ。
設備投資については、生産設備以外のIT関連や研究開発関連の投資を行ったという。第4四半期も研究開発関連の投資を見込む。
第4四半期の業績については、売上高は前年同期比23.1%減の2585億円と予想する。売上総利益率は同3.9ポイント減の52.5%、営業利益率は同9.4ポイント減の22.5%と見込む。
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