ソニー半導体、24年度2Q売上高は過去最高も通期は下方修正:大手顧客の生産調整が影響(2/2 ページ)
ソニーグループのイメージング&センシングソリューション分野の2024年度第2四半期売上高は前年同期比32%増の5356億円、営業利益は同99%増の924億円とそれぞれ大幅増となった。売上高は第2四半期として過去最高だという。
国内半導体システム再強化には「一定の貢献したい」
ソニーグループはRapidus(ラピダス)に対し追加出資する方針であると一部で報じられているが、今回の決算説明会では、この件の事実確認および考え方に関する質問が出た。十時氏は、個別の案件についてはコメントを控えるとしたうえで、「半導体産業は日本の経済発展、経済安全保障政策上も極めて重要だ。この業界に身を置く企業として、半導体システムが再強化されることになれば、それ相応に人材の拡充、高度化、サプライチェーン強化などが全体でなされると思う。われわれにとっても業界全体にとっても非常にいいことであり、一定の貢献はしていきたいと考えている」と語っていた。
グループ全体の通期売上高は上方修正
2024年度第2四半期のグループ全体の連結業績をみると、売上高は金融分野と映画分野で大幅減収となったものの、I&SS分野のほかゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野で大幅増収、音楽分野およびエンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野でも増収となったことから、前年同期比3%増の2兆9056億円で着地した。営業利益も映画分野で大幅減益となったが、I&SS分野およびG&NS分野、金融分野で大幅増益、音楽分野、ET&S分野でも増益だったことから同73%増の4551億円となった。純利益は同69%増の3385億円だった。
グループ全体の2024年度通期予想についても、I&SS分野および映画分野の見通し下方修正およびG&NS分野の上方修正を踏まえた結果、売上高を前回予想から1000億円増の12兆7100億円に上方修正した。
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