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高性能サーバを強制空冷から解放する液体冷却技術福田昭のデバイス通信(479) AIサーバの放熱技術(12)(2/2 ページ)

今回は、液体冷却技術を紹介する。発熱する部分を冷却プレートによって冷やす「間接・伝導冷却」技術である。

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冷却プレート、熱交換器、冷却塔で高い性能の放熱システムを構成

 冷却プレートの金属には、銅(Cu)あるいは銅を含む合金が使われる。銅は熱伝導が最も良好かつ実用的な金属として知られる。冷却液には「純水」、あるいはグリコールと水を混ぜた溶液(グリコール混合液)が使われる。

 冷却プレートの表面には冷却液の入口と出口、冷却プレートの内部には冷却液の流路がある。低温の冷却液を冷却プレートに送り込むと、流路で発熱体の熱エネルギーを奪い、冷却液は高温となって冷却プレートから出てくる。高温になった冷却液は熱交換器(CDU)によって熱を奪われ、低温となって冷却プレートに戻る。


液体による間接冷却(伝導冷却)の仕組み

液体による間接冷却(伝導冷却)システムの全体像。左は間接冷却システムの概念図。中央は放熱原理の説明。右は重要な部品あるいはユニット[クリックで拡大] 出所:Supermicroが国際学会Hot Chips 2024のチュートリアルで講義した「Thermal Techniques for Data Center Compute Density」のスライドから

 熱交換器(注:「ガスケットプレート式熱交換器」の場合)では高温の冷却液(一次冷却液)から低温の二次冷却水に金属プレート経由で熱エネルギーを移動させることで、冷却液(一次冷却液)の温度を下げる。

 熱交換器で高温となった二次冷却水は、サーバルームから離れたところにある冷却塔に送られる。冷却塔には貯水層と水を噴霧する機構があり、冷却塔内部で二次冷却水が流れるパイプを外部から冷たい霧状の水蒸気によって冷やす。温まった水蒸気は外気によって冷やされる。


冷却塔(クーリングタワー)の概念図(中央)と外観写真(右)。パイプを流れる高温の二次冷却水に外から冷たい霧状の水蒸気を噴霧することで、二次冷却水を冷やす。水蒸気は外気によって冷やされ、貯水層に戻る。なお冷却塔の内部は、外気による汚染を防ぐためにシールされている[クリックで拡大] 出所:Supermicroが国際学会Hot Chips 2024のチュートリアルで講義した「Thermal Techniques for Data Center Compute Density」のスライドから

(次回に続く)

⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧

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