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電子機器の小型/低背化に対応 表面絶縁抵抗が高いステンレス鋼:日本金属が開発
日本金属は、高い表面絶縁抵抗を有するステンレス鋼「FI(Fine Insulation)仕上」を開発した。小型で低背化が進むスマートフォンやゲーム機などの用途に向ける。
膜厚が0.5〜1μmの無機被膜をプレコート
日本金属は2025年1月、高い表面絶縁抵抗を有するステンレス鋼「FI(Fine Insulation)仕上」を開発したと発表した。小型で低背化が進むスマートフォンやゲーム機などの用途に向ける。
FI仕上は、ステンレス鋼の表面に、50MΩ以上の高い絶縁抵抗を有する無機被膜(膜厚は0.5〜1μm)をプレコートしている。このため、FI仕上のユーザーは絶縁処理を行う必要がなく、製造工程の簡略化やコスト低減が可能となる。
FI仕上の皮膜耐熱温度は最高850℃で、高温環境においても安定した被膜を維持できる。しかも無機被膜は硬質で、傷付き耐性にも優れている。厚みは0.05〜0.15mm、幅は最大500mmである。鋼種としてはSUS304やSUS301、SUS430などを用意したが、ステンレス鋼以外の金属に対応することも検討していく。
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