Infineonがタイに後工程新工場、パワーモジュール需要増に対応:26年初頭に操業開始
Infineon Technologiesが、タイに最先端の後工程新工場を新設する。製造拠点の最適化とさらなる多極化を目指したもので、2026年初頭に操業開始予定。増加するパワーモジュール需要に対応する。
Infineon Technologies(以下、Infineon)は2025年1月14日(タイ時間)、タイに最先端の後工程新工場を新設すると発表した。製造拠点の最適化とさらなる多極化を目指したもので、2026年初頭に操業開始予定。同社は「生産の立ち上げは市場の需要に応じて柔軟に実施される」と説明している。
新工場は、タイ・バンコクの南に位置するサムットプラカーンに建設し、脱炭素化や気候保護への取り組みが進むなかで増加するパワーモジュール需要に対応する。Infineonの最高業務執行責任者(COO)を務めるRutger Wijburg氏は「この投資は、製造拠点をさらに多極化し、コスト面で最適化すると同時に、前工程の供給能力拡大にも対応するという当社の戦略における重要なステップだ。新工場は、高い効率性、強靭性、高い品質を維持しながら運用できるように設計されていて、高品質の製品を顧客に確実に届けることができるようになる」と述べている。
なお、同計画はタイ投資委員会(BOI)の支援を受けている。BOIの事務局長であるNarit Therdsteerasukdi氏は「この戦略的な一歩は、Infineonとタイ政府の緊密で信頼できるパートナーシップの重要性を強調するもので、タイの事業環境と成長の可能性に対する相互の信頼を示すものだ。2024年12月に『国家半導体・先端エレクトロニクス政策委員会』が設立され、Infineonの投資も行われることで、地域の半導体産業とエコシステムが大幅に強化され、タイは世界の半導体産業における重要なプレイヤーとして位置付けられるだろう」とコメントしている。
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