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ルネサス、24年通期は減収減益 「25年は将来のための取り組みに集中」:在庫削減も継続(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスの2024年12月期通期業績(Non-GAAPベース)は、売上高が前年比8.2%減の1兆3485億円、売り上げ総利益率が同0.9ポイント減の56.1%だった。営業利益は同1037億円減の3979億円で、営業利益率は同4.6ポイント減の29.5%だった。当期純利益は同725億円減の3604億円だった。
販売チャネル在庫の消化を継続
自社在庫は前四半期比で増加した。生産減による減少を見込んでいたが、生産抑制が一部間に合わなかったことと為替の影響によって微増となった。2025年第1四半期は前工程の加工を終えたウエハーを備蓄する「ダイバンク」を補充し、全体として微増になる見込みだ。短納期での注文があることから、一定の在庫は保つ計画だという。
販売チャネルの在庫は減少した。納入を抑えて在庫消化を促進していたためで、2025年第1四半期もこれを継続する。
第4四半期の前工程稼働率は35%弱だった。今後は稼働率を40%強まで引き上げる計画だ。
2025年は「将来のための取り組みに集中」
2025年第1四半期の業績見通しは、売上高が前年同期比12.2%減の3090億円(±75億円)、売り上げ総利益率が同2.7ポイント減の54.0%、営業利益率が同8.3ポイント減の24.0%と予想した。
柴田氏は2025年の見通しについて「ルネサスがイディオシンクラティック(特異的)に成長するような見通しは今のところ持っていないが、だいぶ落ち着いてきた。短期的なことに惑わされず、将来の成長を引っ張っていくような取り組みに腰を据えて集中する1年にしたい」と語った。
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