ニュース
1650mAの大電流と広帯域を両立、車載PoC用インダクター:製品保証温度は最大155℃(3/3 ページ)
TDKが自動運転や先進運転支援システム発展に伴う課題に対応する、新たな車載PoC用インダクターを開発した。独自の材料設計や構造設計によって、従来比1.5倍の大電流対応や広帯域での高いインピーダンス特性などを両立している。
動作温度は最大155℃、高温環境を想定した製品設計
高温環境対応についても、コア材料の選定などによって環境温度は最大125℃、製品動作温度は最大155℃にまで対応可能となった。説明担当者は「カメラを含む基板の小型化によって近年かなり部品が密集傾向にある。それによって熱がこもり、高温環境にさらされるアプリケーションも増加している」と説明。今回の製品はそうしたアプリケーションに対応可能としている。
今後も続々製品を投入へ
TDKでは下図の通り幅広い電流値、ビットレートに対応するPoCフィルター製品を用意する。今回の製品は3G〜12Gビット/秒(bps)ほどの広い通信速度に対応し、電流値ではこれまでなかった1000mA以上の部分で使用が可能になるとしている。なお、図内で青字で記載の製品および今回の製品(青枠で囲ったもの)は量産中で、その他の黒字で記載の製品は開発中のものだ。
TDKは「今後も車載PoC用インダクター開発を、巻線工法に加え、積層、薄膜の3種の工法を用いた最適化設計によって市場ニーズに対応した豊富なラインアップの拡充を行い、PoC伝送信号の品質向上に貢献していく」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「消費電力が一般品の半分」の産業用SSDがより小型に
TDKは「EdgeTech+」に出展し、産業機器向けのM.2 SSD「SNP1Aシリーズ」を紹介した。消費電力を一般品の半分程度に抑えたものだ。従来の2280タイプに加えてより小型な2242タイプも展示した。「業界最小」高周波対応の車載PoC用インダクター、TDK
TDKが、新しい車載PoC(Power over Coax)用積層インダクターを開発した。「業界最小」(TDK)サイズかつ、高品質なフィルター特性や高周波帯域での高いインピーダンスを実現している。3225サイズで定格1250V、C0G特性MLCCをTDKが開発
TDKが、車載用途などで高まるコンデンサーの高耐圧化および高静電容量化への需要に応える、新たなMLCCを開発した。「C0G特性」の3225サイズ品で定格電圧1250Vと、「業界最大」(同社)の高静電容量10nFを両立。車載と一般用の両グレードを用意し、2024年12月に量産を開始する予定だ。USB4の高速伝送でノイズ抑制 コモンモードフィルター
TDKは、高速差動伝送用ノイズ対策製品として小型薄膜コモンモードフィルターの新製品「TCM06Uシリーズ」の量産を開始した。10GHzにおけるコモンモード減衰30dBを「業界で初めて」(TDK)実現している。ライン間容量が驚異の低さ 10BASE-T1S用コモンモードフィルター
TDKが、ライン間容量を従来比約30%低減した車載Ethernet規格10BASE-T1S用コモンモードフィルター「ACT1210E-131」を開発した。広帯域で高インピーダンスを実現、車載PoC用インダクター
TDKは2022年8月30日、広帯域で高いインピーダンスを実現した小型/大電流の車載PoC(Power over Coax)用積層インダクター「MLJ1608WGシリーズ」の量産を開始したと発表した。従来品より小型ながら定格電流は500mAと高く、300M〜2GHzの広帯域で最大インピーダンス1000Ω以上を実現。先進運転支援システム(ADAS)の普及によって高まるPoCフィルターへの要求に応えている。大電流対応の車載PoC用インダクターを開発、TDK
TDKは2021年10月26日、「3225サイズで業界最高水準」(同社)とする大電流対応を実現した車載PoC(Power over Coax)用インダクター「ADL3225VMシリーズ」を開発し、量産を開始したと発表した。独自の構造設計によって、1M〜1000MHzの広帯域で高いインピーダンス特性も実現。「PoC用インダクターに求められる要素を高いレベルで満足した製品で、PoCの大電流化に貢献する」としている。