3Dフラッシュメモリ第10世代は332層で密度59%向上、キオクシアら:4.8Gb/秒と高速、低消費電力化も(2/2 ページ)
キオクシアとSandiskは、4.8Gb/秒のNANDインタフェース速度やさらなる低消費電力化などを実現する3次元(3D)フラッシュメモリ技術を開発した。この技術を導入する第10世代品は、積層数332層で、平面方向の高密度化によってビット密度は59%向上するという。
1週間前に9、10世代品について語っていたSandisk
なお、Sandiskは2024年2月11日(米国時間)に開催した投資家向けイベントにおいて、今回の「次世代BiCSテクノロジー」をISSCC 2025で発表すると予告していた。
また、両社は今回第9世代品の開発を進めていることも発表。第9世代品では、CBA技術によって、新しいCMOS技術と既存のメモリセル技術を組み合わせ、投資効率が良い高性能、低消費電力の製品を展開するとしている。
この第9世代品に関してもSandiskは、上記イベントにおいて「われわれは多額の設備投資をすることなく、非常に費用対効果の高い方法で新しい市場に参入し、製品ポートフォリオを補完できる。このイノベーションの柔軟性は、CBA技術が可能にしている。第9世代は基本的に第8世代のアレイ技術と次世代CMOS技術を組み合わせたものだ」などと説明していた。
今回発表した新世代品について、市場投入時期などは明かしていない。
なお、キオクシアホールディングスは2025年2月の決算発表時、現在主力として展開しているのは第5世代品(BiCS FLASH第5世代)だが、最新世代であるBiCS FLASH第8世代についても量産中で、生産/販売の拡大を進めていく方針と説明。需要等に応じて投資やキャパシティー切り替えを慎重に判断していくため、タイミングは多少前後する可能性はあるとしつつ、2025年度中には同社が手掛ける世代の中でBiCS FLASH第8世代が物量ベースで過半を占めるようになるという見通しを示していた。
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