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ついにAIサーバに、次は車載へ GaNパワー半導体で攻めるローム:高出力領域で拡大へ(3/4 ページ)
急速な成長を続ける窒化ガリウム(GaN)パワー半導体市場での展開で、ロームが新たな段階に入った。これまでは民生機器向けが中心だったが、AIサーバ用電源ユニットに初採用されたことを皮切りに、車載などのハイパワーアプリケーションでの採用拡大を狙う。
シリコンと同等の設計難易度で「GaNの性能を100%引き出す」
GaNパワーデバイスを採用する際、汎用ドライバーや汎用コントローラーを用いる場合、設計難易度が大きく上がる。一方で、そうした設計ではGaNが本来持つ性能を完全に引き出すことは困難だという。この課題に対し、ロームでは「GaNの性能を100%引き出す」ための専用ドライバーおよびコントローラーを開発し、設計難易度の低減を同時に実現していく方針で、「現在、この方向に向かって随時効果的なドライバーやコントローラーを市場に投入していっている段階だ」と説明。各製品を拡充している(後述)
「GaNの真価を発揮する」高速動作時の信頼性を確保
最後に「信頼性」についてだ。GaN HEMTの基本構造に関する信頼性はJEDEC規格の試験で検証可能だが、JEDEC規格では静的特性に基づいて信頼性を評価しているため、「GaNデバイスの真価が発揮される高速動作時の信頼性検証には不十分」という課題があるという。
そこでロームは、JEDECの信頼性基準では確認できていない高周波数動作に関し、実際のアプリケーションにより近い形での動作条件において検証する独自の『Beyond JEDEC試験』を実施。これによって「安心してGaN HEMTの性能をフル活用できる」としている。
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