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ついにAIサーバに、次は車載へ GaNパワー半導体で攻めるローム高出力領域で拡大へ(4/4 ページ)

急速な成長を続ける窒化ガリウム(GaN)パワー半導体市場での展開で、ロームが新たな段階に入った。これまでは民生機器向けが中心だったが、AIサーバ用電源ユニットに初採用されたことを皮切りに、車載などのハイパワーアプリケーションでの採用拡大を狙う。

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高出力領域に向けた製品開発を強化

 下図は、ロームのGaNパワーデバイス製品ラインアップおよび今後の計画だ。同社はディスクリート品のほか、専用ドライバーおよび、専用ドライバーとGaN HEMTをワンパッケージ化したSiP、さらに専用コントローラーも同梱したオールインワンタイプのSiPをそれぞれ展開していく。

ロームのGaNパワーデバイス製品ラインアップおよび今後の計画
ロームのGaNパワーデバイス製品ラインアップおよび今後の計画[クリックで拡大] 出所:ローム

 なおディスクリート品では、DFNパッケージで、従来Ag(銀)ペーストで接着していたものを、Agシンタリング方式に変更することでパッケージの熱抵抗を下げ、よりハイパワーに対応可能とする製品を開発(サンプル提供中)。さらに、今回AIサーバでも採用されたTOLLパッケージ品に続き、TOLT(上面冷却)パッケージ品も計画(2025年7月サンプル提供開始予定)する。SiPでも同様に、専用ドライバーとGaN HEMTをワンパッケージ化したパワーステージICにおいて、Agシンタリング方式のDFNパッケージ品、TOLLパッケージ品、TOLTパッケージ品をそれぞれ計画(いずれもディスクリート品とピン互換)。高出力アプリケーション向けでの採用拡大に向け開発を強化している。

 またオールインワンタイプも、臨界モード方式(BCM:Boundary-Conduction Mode)PFC ICや疑似共振(QR)フライバックICをそれぞれ統合したものに加え、非対称ハーフブリッジIC統合の製品も計画するなど、より使いやすいGaNの実現に向けた取り組みも進めている。

車載向けGaNも2025年中にサンプル出荷へ

 ロームは2024年12月、車載用GaNパワーデバイスの開発と量産に関しTSMCと戦略的パートナーシップを締結したことを発表。今後GaNの利用拡大が見込まれるオンボードチャージャー(OBC)などへの採用を狙い開発を進めていて、2025年中にはサンプル出荷を計画しているという。

 ロームによると既に車載を見据えた顧客からの要望も複数あるという。吉持氏は「われわれはシリコン、SiC(炭化ケイ素)でも車載に注力してきた。そうした販売チャンネルや顧客との信頼関係をフルに活用し、車載の品質を担保する当社のGaNデバイスを提案し、車載向けを展開していきたい」と強調していた。

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