「Dragonwing」搭載 Wi-Fi 7対応の日本製エッジAIモジュール:第28回 IoT・エッジコンピューティング EXPO
サイレックス・テクノロジーは「Japan IT Week【春】」内「第28回 IoT・エッジコンピューティング EXPO」にて、Qualcommのプロセッサ「Dragonwing QCS6490」を搭載した産業用エッジAI向けのシステムオンモジュール(SoM)「EP-200Q」を展示した。バッテリー駆動の産業/医療機器に向ける。
サイレックス・テクノロジー(以下、サイレックス)は、「Japan IT Week【春】」内「第28回 IoT・エッジコンピューティング EXPO」(2025年4月23〜25日、東京ビッグサイト)にて、Qualcommの産業用IoTアプリケーション向けに設計された高性能プロセッサ「Dragonwing QCS6490」を搭載した産業用エッジAI向けのシステムオンモジュール(SoM)「EP-200Q」を展示した。
設計からサポートまで日本で完結
QualcommのDragonwing QCS6490は、8コアの「Kryo 670」CPUや「Adreno 642」GPU、「Hexagon」DSPおよび独自開発の第6世代AIエンジンを搭載し、最大12TOPSのAI性能を実現するとともに、低消費電力を実現したIoTソリューション。EP-200Qはそれに合わせ、バッテリー駆動の産業用アプリケーション向けに設計したものだ。
サイレックスは無線LANモジュールも多く手掛けていることから、それらとEP-200Qとの組み合わせを想定。Wi-Fiドライバーを統合し、Wi-Fi 7に対応している。サイレックスのブース担当者は「産業/医療機器メーカーにWi-Fiモジュールを多く提供してきたノウハウを生かした。無線通信は目に見えないので問題発生時に原因がなかなか特定できないことも多いが、サイレックスでは原因の特定から解決までサポートする体制を整えている」と説明する。
設計/開発/製造からサポートまで、日本国内で完結していることも特徴だ。「米中対立など情勢の変化が大きいので、日本で完結するという点で安心してもらえるのではないか」(ブース担当者)
産業/医療機器のAI画像処理に
EP-200Qのアプリケーションとしては、製造業におけるロボティクスの自動化、医療/ヘルスケア分野での遠隔診断やベッド見守り/落下検知など、AIで画像処理を行うものを想定している。
ブースでは、混雑状況を監視するデモを紹介した。ブース内の4カ所に設置したカメラから情報を得て人を検知/カウントし、混雑状況を出力するというものだ。
EP-200Qは、2025年7月からエンジニアリングサンプルの提供を順次開始する。
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