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シャープが『世界の亀山』工場を鴻海に売却へ 26年8月までに:亀山第2工場を
シャープは2025年5月12日、中小型の液晶パネルを生産する亀山第2工場(三重県亀山市)を、親会社である鴻海精密工業(以下、鴻海)に譲渡すると発表した。2026年8月までに鴻海に譲渡し、以降は鴻海からパネルを調達し販売する予定だ。
シャープは2025年5月12日、中小型の液晶パネルを生産する亀山第2工場(三重県亀山市)を、親会社である鴻海精密工業(以下、鴻海)に譲渡すると発表した。2026年8月までに鴻海に譲渡し、以降は鴻海からパネルを調達し販売する予定だ。
シャープはデバイス事業を段階的に縮小し、ブランド事業中心の戦略への切り替えを進めている。
亀山工場は、「世界の亀山モデル」として知られる液晶パネルを手掛けた工場だが、今回、シャープはディスプレイデバイス事業の方針について「競争優位を持続できる車載/モバイル/産業用途に集中し、ボラティリティの高い亀山第2工場は2026年8月までに鴻海へ譲渡する」と発表した。
亀山第1と白山工場の戦略
なお、亀山第1工場は車載ディスプレイ向けに専用化する方針だ。シャープは超低反射/デュアルビュー/クリックディスプレイなどの車載向け特長技術開発を加速する。同時にベトナム実装拠点の生産能力を増強し、調達網再構築に向けた需要を取り込むほか、開発/品質人材を車載事業にシフトし、カスタム設計体制を強化していく方針。この他、白山工場(石川県白山市)ではXR(クロスリアリティー)/車載/ePoster/産業用などで、特長技術を結集して高付加価値製品をマルチに供給する方針としている。
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