1チップでセンシング機能とシステム制御を提供 新型「PSOC」:民生用電子機器などを視野に
インフィニオン テクノロジーズは、マルチセンス機能などを1チップに集積した32ビットMCU「PSOC 4100T Plus」を発表した。民生用電子機器などの用途に向ける。
システム制御と高度なセンシングの機能を1チップに集積
インフィニオン テクノロジーズは2025年5月、マルチセンス機能などを1チップに集積した32ビットMCU「PSOC 4100T Plus」を発表した。民生用電子機器などの用途に向ける。
PSOC 4100T Plusは、動作周波数が48MHzのArm Cortex-M0+コアをベースに、128kバイトのフラッシュメモリ、32kバイトのSRAMに加え、静電容量式タッチセンシング「CAPSENSE」や誘導センシング、液面レベルセンシングといった高度なセンシング機能を搭載した。
このため、システム制御を行う汎用MCUとしての利用だけでなく、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)専用のMCUあるいは、システム制御とタッチHMIの両機能を1チップで対応できるMCUとしても活用できる。
HMI用途において静電容量式センシング機能を用いると、ユーザーのタッチや近接を検出できる。誘導式センシング機能を利用すると、金属表面でのタッチが可能となる。機械学習(ML)ベースの液面レベルセンシング機能では、液体の存在やその残量などを監視できる。さらに、CAPSENSEベースのホバータッチ機能を利用すると、大きなエアギャップがあっても指タッチを検出できるという。
PSOC 4100T Plusシリーズは、高い信頼性が求められる家電製品などに適している。クラス最高の6500V静電放電保護や精度1%の内部主発振器(IMO)など、大幅に機能を強化した。しかもシステム設計者は、高度なHMI機能を比較的容易に組み込むことができるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NVIDIAとInfineon、AIサーバ向け800V電力供給アーキテクチャを共同開発
Infineon TechnologiesがNVIDIAと協業し、次世代AIデータセンター向けに「業界初」(同社)の800V高電圧直流(HVDC)電力供給アーキテクチャを開発する。Infineonは「将来のAIデータセンターに必要な電力供給アーキテクチャに革命を起こす」などと強調している。2個の従来デバイスを1個で置き換え、Infineonの650V GaN双方向スイッチ
Infineon Technologiesが双方向の電圧/電流制御が可能な窒化ガリウム(GaN)デバイス「CoolGaN bidirectional switch 650V G5」(以下、CoolGaN BDS 650V G5)を発表した。同製品1個で2個の従来型スイッチを置き換えられ、部品点数、コスト、サイズ、全体的な電力損失を削減できる。「次のトレンドはSDV」 RISC-Vマイコンでトップ維持狙うInfineon
Infineonは、次世代車載マイコンにRISC-Vコアを採用する。ソフトウェア定義型自動車(SDV)への移行を見据え、拡張性や柔軟性の高さに注目していることが理由だ。標準化やソフトウェア開発の支援にも取り組む。ショットキーダイオード内蔵GaNパワートランジスタ、Infineonが開発
Infineon Technologiesが、「世界初」(同社)となる、ショットキーダイオード内蔵の産業用GaNパワートランジスタ「CoolGaN Transistors G5」ファミリーを開発した。デッドタイム損失を低減することで電力システムの性能を向上し、システム全体の高効率化を進めると同時に、パワーステージ設計簡素化による部品表(BOM)コスト低減も実現するとしている。「SDV実現の鍵」車載RISC-Vマイコン開発でInfineonが狙うもの
「RISC-Vはソフトウェア定義車(SDV)実現の鍵だ」――。Infineonはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2025」において、数年以内のローンチに向け開発を進めるRISC-Vベース車載マイコンによる狙いや計画について紹介した。「業界唯一」のPSA レベル4認証マイコンも InfineonのエッジAI向け戦略
マイコンを用いて低消費電力、低コストで実現する「エッジAI」への注目が高まっている。エッジAI向けマイコン「PSOC Edge」などを展開しているInfineon Technologiesの戦略とポートフォリオについて聞いた。